「在庫を抱える事業」が危険であるこれだけの理由
■在庫が要らない事業モデルを考える
稼げる事業モデルをつくるポイントは「リスクを抑える」ことです。最初からリスクなく安定して稼げるような仕事は、まずないと考えておくべきです。それでも、リスクをなるべく小さくする方法はあります。
まず、できる限り在庫を持たないようにすることです。在庫を抱えてしまうと、それが不良品や欠陥品であったり、賞味期限切れや流行遅れになったりすると、売れる見込みがない不良在庫と化します。不良在庫化すれば、仕入れにかかったお金は当然無駄になり、保管しておく場所代や管理代などでさらなるマイナスを生みます。
在庫を必要とする事業は、基本的には商品を仕入れ、販売するサイクルを回すことによって利益が出ます。そのため、在庫の一部が不良在庫になると、次の仕入れに使える現金が減り、仕入れと販売のサイクルも滞ります。この状態から抜け出すには仕入れ代金を捨てるつもりで在庫を叩き売るか、捨てるしかありません。これを何度か繰り返すと運転資金がなくなり、事業が立ち行かなくなります。
これでは、愛されフリーランスになるどころか、フリーランス自体をやめざるを得なくなってしまいます。そもそも在庫ありの事業をするためには、最初からある程度の在庫を仕入れる必要があります。在庫を持って行う事業は、運転資金に余裕がある人や企業向きで、小資金でスタートするフリーランスには不向きです。
在庫を持たない仕事としては、コーチングやコンサルティングのようなコミュニケーション職、セラピスト、ライター、ウェブデザイナーのような技術職、トレーナーや学習塾など教育分野の仕事が考えられます。まずはそのような仕事に目を向けて、低リスクで運営できる仕事から検討してみることが大事だと思います。
仙道 達也
株式会社マーケティングフルサポート代表取締役/マーケティングコンサルタント/プロデューサー