ある程度の規模、設備の調った中古RCに優位性あり
また、中古RCでは規模感も重要です。一般的に、戸数が多いほど空室時のダメージは少なくなります。例えば、3件退去が出て空室になったとして、10室の規模と100室の規模だと、後者のほうがダメージは少なくなります。
郊外のメリットとして、同じ家賃だとしても都心物件よりも部屋数が多くなります。そのため、空室が発生したときも、入退居の際の総収入が大きく減るリスクが少なくなります。
例えば、同じ2億円のマンションでも、20室あるA物件と8室あるB物件では、空室が出たときのダメージはAのほうが小さくなるということです。
原状回復リフォームも戸数をまとめて発注することで低コストで行うことができたり、部屋の状態によって順番にリフォームを行ったりといったコントロールが可能です。これが戸数が少なければ、そのようなコントロールはできませんし、スケールメリットを使って割安にリフォームすることもできません。
ただし、戸数を多くして1室あたりの家賃を低くし過ぎると、リフォーム費用に見合わなくなりますし、住む人の属性が悪くなっていきます。
例えば原状回復工事費用でいうならば、木造アパートの単身向けであれば、高いときは1室10万円程度かかることもあります。家賃は1室4万5000円以上に設定しないと、「原状回復割れ」のリスクが高まるといえるでしょう。
また、安い家賃に入居する人のほうが相対的に見て部屋の使い方は荒い傾向があるため、部屋の状態が悪くなりがちです。そのため、必ずしも「戸数が多いほうがいい」とはいえません。あくまで家賃とのバランスが重要です。
かつてのように礼金を取れる時代ならよかったのかもしれませんが、今では礼金どころかむしろAD(広告費)でオーナー側に出費がかかる時代ですので、「同じ入居者にできるだけ長く住んでほしい」というのが今のトレンドになっています。
そう考えると、住環境に優れ、それなりの広さ、設備があるという条件が求められるといえます。つまり、ある程度の規模があり、設備の調った中古RCに優位性があるということです。