「異臭がする」恐る恐るその部屋に足を運べば…
そしてオーナーがこうした実情を知るのは大概の場合、住人が逮捕されたり、亡くなったりするなど、トラブルに発展したときです。
このような厄介ごとに加え、入居者対応において最もきついのは、自殺者が出たときでしょう。近隣住民から「異臭がする」などと訴えられ、恐る恐るその部屋に足を運べば、腐乱した遺体と対面するなど、管理会社が第一発見者となることは多くあります。
私が管理会社の人から聞いた話では、とある住人が亡くなった際には、冷蔵庫まで行こうと這いつくばった状態だったと言います。その人は2カ月前に職を失ったそうで、ほとんど餓死をしたような状況だったのでしょう。
ちなみになぜ「2カ月前に失職した」というようなことが分かるのかといえば、「心理的瑕疵」があるかどうかを、管理会社側が調べる必要があるためです。
管理会社が告知すべき「心理的瑕疵」には「自殺・殺人」「事件や事故による死亡」「火災」「指定暴力団の事務所が近隣にある」というようなものがあります。それを正確に告知するために、本当のことを明らかにせねばならないのです。
悪徳業者は論外ですが、まっとうな管理会社の社員も、なかなか大変な思いをしているなと、頭が下がります。
■悪徳業者は「相場よりはるかに高額な物件」を売りさばく
続いて、買取販売会社のビジネスモデルについて見ていきます。一般的な買取販売会社は、売主から直接相談を受けたり、物上げを行っている元付の仲介会社など物件を紹介してもらったりして物件を仕入れます。
その段階で金融機関に評価を打診。評価金額、すなわち借入額と仕入れ額の差額から、リフォーム代や登記料金などを差し引いたものが自社の利益となります。そうして算出を行いつつ、客付けの賃貸仲介会社なども活用して集客します。そこで買手が見つかれば、ビジネス成立となります。
もう少し具体的に解説しましょう。例えば、相続の際に子どもが不要といったマンションを売りたいという人が、買取販売会社に相談に来たとします。