「リフォーム後の姿」見せてリフォームしないことも…
■「登記を行うか否か」でスキームが変化
中間省略登記が登場する以前は登記売買が主流であり、その時代からある会社はもともと登記をした上で、そこにリフォーム費用などと利益5~10%を上乗せして販売することで利益を出していました。
中間省略登記ができてからは、買取販売会社の質が大きく変わりました。登記をせずとも販売できるようになったことで手間も減り、新規で参入しやすくなったため、悪質な会社がいくつも現れたのです。
ちなみに買取販売業は、登記を行うかどうかでスキームが変わります。登記をしなければ、販売前にリフォームをすることができないからです。ですから中間登記省略を使う場合には、販売価格にあらかじめリフォーム費用を乗せておき、販売後に改めてリフォームをすることになります。
買主からすれば、すでにリフォームを施してある物件を実際に見て買うのと、「これからこんなリフォームをします」などと画像を見せられて買うのとでは、信頼度が違います。そして中間登記省略頼みの悪徳業者においては、買い主に美しい「リフォーム後の姿」を提示したにもかかわらず、実際にはほとんどリフォームを行わずに引き渡すということもままあります。
なぜなら、すでに売れた物件ですから、できる限り手を加えずに引き渡すほうが儲かるからです。瑕疵担保責任がありますから、リフォームそのものに対する手抜きはしないはずですが、最低限のリフォームで済まそうとするケースは多いものです。
※本記事は書籍『不動産投資業者のリアル』を抜粋したものです。
藤本 好二
ウィステリア・グループ株式会社
会長兼代表取締役社長
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