ひとり暮らしをしている高齢者は、「子どもや孫と一緒に暮らすこと」を望んでいる人ばかりとは限りません。しかし、望んでひとり暮らしをしている高齢者も、ケガや病気などで、いつか介護が必要になったらどうしよう、と不安を抱いている人は少なくないのです。今回は、シニア生活文化研究所・代表理事の小谷みどり氏の著書『ひとり終活』より一部を抜粋し、ひとり暮らしの高齢者が漠然と抱えている不安を解消するために、知っておくべき「真の自立」について解説します。

 

家事をしてくれる人がいるうちはいいのですが、高齢でひとり暮らしになると、家事を一からやってみようという気力さえ湧かないかもしれません。

 

内閣府が2019(令和1)年に実施した「男女共同参画社会に関する世論調査」では、「男は外で仕事をし、女は家庭を守るべきだ」と考える人は35.0%にとどまりますが、70歳以上の高齢者では42.9%と半数近くがそう考える人が多いという傾向が出ています。

 

「男は外で仕事をし、女は家庭を守るべきだ」という考え方に対する調査

 

 

昨今では、スーパーやコンビニに行けば美味しいお惣菜をいつでも手軽に買える時代になりました。1個からでも配達してくれる高齢者向けのお弁当もあります。洗濯機やお掃
除ロボットを使えば、自分で洗濯や掃除をしなくてもすみます。

 

とはいえ、たとえば洗濯で一番手間なのは、乾いた洗濯物を取り込んで、畳んで、たん
すにしまうという工程です。ひとり暮らしをしていると、取り込んだ洗濯物がそのまま部
屋のなかに山積みになっていたり、あるいは取り込むことすらせず、干してあった下着を
物干し竿から取って着たりする人は珍しくありません。

 

そのうち、洗濯物を干すことすら面倒になってしまい、下着を取り替えない、お風呂に何日も入らない、その結果外出さえしなくなるという悪循環に陥ってしまいます。そうならないために、面倒なことをあえてやるようにして、家事を習慣づけることが大切です。

 

料理も同じです。何を作ろうか献立を考えたり、作業をしたり、旬の食材を知ることは
脳の活性化につながります。メインのおかずは買ったとしても、お味噌汁を作ってみるとか、ほうれん草のおひたしをつけてみるといった工夫をすれば、それだけでも脳が働き、料理の腕も上がります。美味しい料理を作ったときには、友人や近所の人におすそ分けをしたくなり、それをきっかけに会話がはずむかもしれません。

 

女性も、夫や子どもたちと一緒に住んでいたときには一生懸命に家事をしたのに、ひとり暮らしになると、面倒になって家事をしなくなりがちです。そこから無気力の悪循環が
始まってしまうのは、男性の場合と一緒です。

 

その意味で、便利な世の中になったとはいえ、ひとり暮らしの高齢者にとって生活的自
立の能力を高めておくことは、生きる張り合いのためにとても大切なのです。

④精神的自立…自分の人生は自分で選択

夢中になれることがあるか、人生に目的や夢を持っているか、人のために何かしたいと思うか、人に指図されることなく自分の考えで行動できるか。これらを精神的自立といいます。自分の意思で物事を判断し、他人に流されることなく、自らの責任で行動できる能力のことです。

 

次ページ「自らの責任で行動できる能力」の具体例
ひとり終活

ひとり終活

小谷 みどり

小学館

元気なうちは気兼ねの要らない自由な暮らしがいいと思っていても、ひとり暮らしの人は、将来に不安を感じることも多い。 介護が必要になったら誰が面倒を見てくれるのだろう? 万が一のとき誰にも気づいてもらえなかったら…

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