ひとり暮らし高齢者の多くが、健康へ不安を感じている
高齢者のひとり暮らしについては、「元気なうちはいいけれど」という言葉が決まり文
句のようについて回ります。つまり、裏を返せば「病気になったらどうしよう」という不
安がつねにあるということです。
内閣府の「一人暮らし高齢者に関する意識調査」でも、「健康や病気のこと」を不安に感じている人が最も多いという結果が出ていました。年をとって身体の不調を感じたり、風邪をひきやすくなった、疲れがとれにくくなったなど、ちょっとした衰えを自覚したりすると、健康への不安はいっそう高まります。
「健康寿命」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。日常的に介護を必要としないで、自立した生活ができる期間のことです。厚生労働省の発表によると、2016(平成28)年時点で、日本人の健康寿命は男性が72.14歳、女性が74.79歳と推計され、平均寿
命と健康寿命の差は男性約9年、女性約12年となっています。不健康な期間が10年程度もあるというのは、特にひとり暮らしの人にとってはとても不安なことです。
不健康期間を極力縮められるよう、健康寿命をできる限り延ばす努力が必要です。そのためには「テクテク・カミカミ・ニコニコ・ドキドキ」が大切だといわれていますが、ご存じですか?
運動をする(テクテク)、食事を規則正しく3食とる(カミカミ)、笑顔で穏やかに暮らす(ニコニコ)、興味や関心、生きがいを持つ(ドキドキ)ということです。みなさんはこれらをどのくらい実践できているでしょうか。この機会に一度ご自分の生活を点検してみてください。
テクテク…無理せず、楽しく体を動かす
最近では、ジムに通って水泳やエクササイズをする高齢者が増えていますが、何も激しい運動をする必要はありません。ウォーキングで足腰を鍛えることで転倒予防になりますし、ラジオ体操をしてストレッチをすることで、筋力アップやバランス能力を維持することもできます。体を動かせばストレス解消にもなります。家のなかで歩き回ってもいいの
ですが、散歩を習慣にすれば、楽しく体を動かすことができます。