寝たきりになったらどうする?「あえて独居老人」の不安を解消

ひとり暮らしをしている高齢者は、「子どもや孫と一緒に暮らすこと」を望んでいる人ばかりとは限りません。しかし、望んでひとり暮らしをしている高齢者も、ケガや病気などで、いつか介護が必要になったらどうしよう、と不安を抱いている人は少なくないのです。今回は、シニア生活文化研究所・代表理事の小谷みどり氏の著書『ひとり終活』より一部を抜粋し、ひとり暮らしの高齢者が漠然と抱えている不安を解消するために、知っておくべき「真の自立」について解説します。

自分らしく生きるための「4つのポイント」

年をとると、自分のことが自分でできなくなったり、生活をするのに誰かのサポートが必要になったりと、自立するのが難しくなっていきます。

 

そのことが、ひとり暮らしの人の不安の種にもなっているのですが、不安解消のための具体的な話を始める前に、まず自立とは何かを考えておきましょう。

 

生きていくうえで、できるだけ自立を保ちたいというのは、誰もが思うことです。もちろん、年齢とともに身体は衰えていきますし、いずれは誰かの手を借りなければならなく
なって、介助や介護も必要になるでしょう。

 

生きていくうえで、できるだけ自立を保ちたい… (画像はイメージです/PIXTA)
生きていくうえで、できるだけ自立を保ちたい…
(画像はイメージです/PIXTA)

 

しかし、自立とは、介護されるかどうかだけの問題ではありません。

①身体的自立…老化を遅らせる努力

自立には4つの概念があります。そのうちのひとつが身体的自立です。つまり、歩いたり、着替えたり、食事をしたりなどの動作が、誰の助けもなく自力でできるかどうか。

 

身体的に自立できなくなれば、介助や介護が必要になります。「寝たきりになったらどうしよう」というのは、身体的自立の低下への不安です。

 

高齢になればだんだん足腰が弱くなり、視力や聴力が落ちたり、疲れやすくなったりして、「年をとったなあ」と、老化を感じることがあるでしょう。老化のスピードは人に
よっても異なりますが、誰もが老いに向かっていくことは間違いありません。

 

普段から足腰を鍛えたり、脳トレをしたりして、老化を遅らせる努力をすることが重要です。

②経済的自立…生活設計が不可欠

2つ目は経済的自立です。年金や貯蓄で生活することができるかどうかということです。
実際のところ、ひとり暮らしの高齢者が経済的に自立している割合は高いとはいえません。

 

2018(平成30)年度の生活保護受給者全体のうち、65歳以上が占める割合は半数以上にのぼりますが、単身高齢男性(18.6%)と単身高齢女性(20.3%)を合わせると、ひとり暮らし高齢者が受給者全体の38.9%を占めています。

 

国勢調査の数字をもとに、ひとり暮らし高齢者における生活保護の被保護人員の発生率(被保護人員/男女別の高齢単身者数)を計算すると、2015(平成27)年では男性が17.8%、女性が9.6%となり、ひとり暮らしの男性高齢者の6人に1人が、生活保護を受給しています。しかも、特に男性のひとり暮らし高齢者で生活保護を受けている人の発生率は年々上昇しており、貧困は深刻な問題となっています。

 

一般社団法人シニア生活文化研究所 代表理事

大阪府生まれ。1993年奈良女子大学大学院修了後、2019年まで第一生命経済研究所で研究に従事。専門は死生学、生活設計論。博士(人間科学)。
現在、一般社団法人シニア生活文化研究所代表理事のかたわら、カンボジアで若者の職業訓練を兼ねたベーカリーを主宰している。武蔵野大学客員教授のほか、大学でも講義をおこなう。

最近の主な著書に、『ひとり終活』(小学館新書)、『「ひとり死」時代のお葬式とお墓』(岩波新書)、『没イチ』(新潮社)など。

著者紹介

連載「ひとり終活」不安が消える万全の備え

ひとり終活

ひとり終活

小谷 みどり

小学館

元気なうちは気兼ねの要らない自由な暮らしがいいと思っていても、ひとり暮らしの人は、将来に不安を感じることも多い。 介護が必要になったら誰が面倒を見てくれるのだろう? 万が一のとき誰にも気づいてもらえなかったら…

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