家も借りられない…晩年の「生涯おひとり様」を待つ厳しい現実

年をとれば誰でも身体の自由がきかなくなり、生活するにも人の助けが必要になります。望んでひとり暮らしをする高齢者が増加する現代、「おひとり様」が高齢者向け施設へ入居する際、どんなことが障害となり得るのでしょうか。シニア生活文化研究所・代表理事の小谷みどり氏の著書『ひとり終活』より一部を抜粋し、解説します。

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「ひとり暮らしの高齢者」が要介護になったら…

認知症が進行すると、日常生活や社会生活を自力で営みにくくなるだけでなく、暴言や
暴力を振るったり、徘徊して行方不明になったり、妄想で大騒ぎしたりすることがありま
す。自分がそうなったらどうしようと心配されている方も多いでしょう。

 

ひとりでの生活が難しくなれば、シェアハウスやシニア向けマンション、高齢者向けの賃貸住宅や老人ホームなど、さまざまな住み替えの選択肢があります。しかし、ひとり暮らしの人は、賃貸住宅や老人ホームに入居する際に大きな壁にぶちあたります。

 

ひとり暮らしの高齢者が、入居の際にぶちあたる「大きな壁」とは…(画像はイメージです/PIXTA)
ひとり暮らしの高齢者が、入居の際にぶちあたる「大きな壁」とは…(画像はイメージです/PIXTA)

 

多くの高齢者向け賃貸住宅では、入居の際に連帯保証人と身元引受人を立てることを義務付けているからです。老人ホームのなかには、連帯保証人を2人以上必要とする施設もあります。連帯保証人は、入居者が家賃などを払えなくなった場合、代わりに支払う義務を負います。

入居者が高齢者の場合に起こる「大変なこと」

賃貸契約にあたって連帯保証人が必要なのは一般的な賃貸住宅でも同じですが、入居者が高齢者である場合は特に問題です。支払い能力がない人は連帯保証人にはなれないので、年金生活者(年金額が多ければ連帯保証人になれることもある)や無職者にはお願いできません。本人が80歳を過ぎていれば、子どもも定年退職しているかもしれないし、兄弟も同じように高齢者になっています。

 

配偶者や子どもがいない高齢者にとっては、連帯保証人を見つけるのはますます容易ではありません。それでは、連帯保証人がいなければ、高齢者は賃貸住宅や老人ホームに入居できないのでしょうか。

 

60歳以上または要介護・要支援認定を受けている60歳未満の人(同居者は、配偶者、60歳以上の親族、要介護・要支援認定を受けている60歳未満の親族に限る)が賃貸住宅に入居したい場合には、高齢者住宅財団の「高齢者家賃債務保証制度」が利用できます。

「保証金」の一部を助成する自治体も!

入居したい賃貸住宅がこの財団と契約していることが前提ですが、高齢者住宅の多くでこの制度が適用されています。2年間保証の場合、月額家賃と共益費の合計額の35%相当を保証料として入居者が財団に一括払いしますが、まとまったお金がないなどで保証料が払えない高齢者には、保証料の一部を助成する自治体もあります。

 

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一般社団法人シニア生活文化研究所 代表理事

大阪府生まれ。1993年奈良女子大学大学院修了後、2019年まで第一生命経済研究所で研究に従事。専門は死生学、生活設計論。博士(人間科学)。
現在、一般社団法人シニア生活文化研究所代表理事のかたわら、カンボジアで若者の職業訓練を兼ねたベーカリーを主宰している。武蔵野大学客員教授のほか、大学でも講義をおこなう。

最近の主な著書に、『ひとり終活』(小学館新書)、『「ひとり死」時代のお葬式とお墓』(岩波新書)、『没イチ』(新潮社)など。

著者紹介

連載「ひとり終活」不安が消える万全の備え

ひとり終活

ひとり終活

小谷 みどり

小学館

元気なうちは気兼ねの要らない自由な暮らしがいいと思っていても、ひとり暮らしの人は、将来に不安を感じることも多い。 介護が必要になったら誰が面倒を見てくれるのだろう? 万が一のとき誰にも気づいてもらえなかったら…

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