ウェブマーケティング業界は楽して儲けようという人が多いと指摘するのは後藤ブランド社長の後藤晴伸氏だ。「高い費用をかけても売り上げは伸びなかった」「報告書を読んでも、担当者に聞いても何をしているのかわからない」「契約したとたん対応が悪くなった」……。同業者にとって耳の痛いウェブマーケティングの実態を暴き、本当の魅力を伝える。本連載は後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)の抜粋原稿です。

広告サービスの管理画面さえ隠す異常事態も

●大手代理店でもディレクター不足に悩まされている

 

こうして見ると広告代理店には、周りが持っているイメージとは異なり、ディレクションができる人材があまりいないことが分かります。

 

大手広告代理店の人が書いた本にも「ディレクターがいない広告代理店は存在意義がなくなる」と書いてあるのを読んだことがあります。大手広告代理店でも、ディレクションをする人材の不足に危機感を持っているのが分かります。まして中堅中小の広告代理店はどうでしょう。広告主にここに出したいと言われて、ではそうしましょうという伝書鳩のようなことをしていたら、その代理店はやがて消えていくと私は思います。

 

管理画面ををクライアントに見せない広告代理店が多い。(※写真はイメージです/PIXTA)
管理画面ををクライアントに見せない広告代理店が多い。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

ウェブマーケティングに限らず、ビジネスの全体を見てクライアントの課題を把握し、解決策を提案できるのがディレクターです。そういう人が身近にいれば、いろいろな相談にも乗ってもらえます。

 

●広告サービスのアカウントも取り上げる

 

グーグルやヤフーなどの媒体の広告サービスを利用するときに、広告代理店がその管理画面をクライアントから隠してしまうという話を前にしました。ただ見せないだけでなく、アカウントを代理店が作成してIDとパスワードを所有し、クライアントは管理画面にアクセスすることすらできなくなっていることがしばしばあります。

 

アカウントを持っていなければ、クライアントは広告の中身や設定が分かりません。代理店に抗議しても、当社のノウハウだから見せられないとか、会社が開示しない方針なのでダメという一点張りで受け付けません。

 

しかも契約書には「契約が終了してもアカウントはお渡しできません」と記載されているケースもあります。

 

この状態でもし契約を解除すると、クライアントのそのアカウントはIDとパスワードが分からないので使えません。それまで何年間も出稿していても、そのデータの蓄積は全部代理店が持ち、クライアントはまた別のところでアカウントを作って一からやり直しになります。

次ページ管理画面さえ見せない広告代理店の問題点

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