ウェブマーケティング業界は楽して儲けようという人が多いと指摘するのは後藤ブランド社長の後藤晴伸氏だ。「高い費用をかけても売り上げは伸びなかった」「報告書を読んでも、担当者に聞いても何をしているのかわからない」「契約したとたん対応が悪くなった」……。同業者にとって耳の痛いウェブマーケティングの実態を暴き、本当の魅力を伝える。本連載は後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)の抜粋原稿です。

ウェブマーケティングに関わる会社の実態を暴く

クライアント企業は、広告代理店やSEO会社、制作会社といったウェブマーケティング関連会社の担当者を当然ながらその道のプロとして迎えます。

 

確かに彼らは、各種のインターネット広告、検索順位を上げる方法、見栄えのするウェブページの作り方……などについてはよく知っています。「ウェブコンサルタント」と称するいかにもその道のプロといった人も出てきます。

 

しかし、業界内にいるとよく分かるのですが、見た目のいい表向きとは裏腹に、実はなにもしていない、あるいは協力会社・下請け企業に丸投げしている、ひどい場合は孫請けひ孫請けの会社が実作業をしているといったことも珍しくないのです。

 

多くの広告代理店は単なるブローカーである。(※写真はイメージです/PIXTA)
多くの広告代理店は単なるブローカーである。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

この稿では、広告代理店、SEO会社、制作会社、コンサルティング会社といったウェブマーケティングに関わる会社が実は何をしているのか、その実態を暴いていくことにします。

 

◇広告代理店の実態

●広告代理店はマージンを抜くだけのブローカー

 

広告代理店は、広告を出稿する側と掲載する媒体の間に入って両者をつなぎ合わせることを生業としています。掲載する媒体が新聞・雑誌でもテレビでもウェブページでも、あるいは屋外看板や電車の中吊り広告でも、この関係は変わりません。

 

当然、広告代理店はいろいろな媒体と関わりを持っているので、ヤフーのどのページに出稿すれば効果的なのかクライアントに紹介することができます。しかしその後の展開のプランは持っていません。

 

広告代理店の社員は、クライアントと媒体の間に入って広告枠を売るだけの営業担当が大多数を占めます。商品を購入するターゲットユーザー層を的確に想定し、それに合った広告戦略を立案できる人材というのはほんの少数しかいません。大手広告代理店が大企業のビッグプロジェクトを展開するとなればさすがに話は別ですが、そうでない限り枠売りしかせず、売上アップのための施策は考えてくれないのが広告代理店といっても過言ではありません。広告用のバナーやプロモーション用サイトの制作も、代理店自身では対応できず外注することがほとんどです。制作のディレクションができる専任スタッフも少ないため、受注件数が増えればさばききれなくなり、最悪の場合は広告代理店が広告代理店に外注するというおかしな二重構造さえ生まれています。

 

そうなると、広告代理店は契約の窓口となって仕事をほかに回しているだけの存在になります。枠売りだけを行い、プロモーションで付加価値を与えることもなく、制作でも間に入ってマージンを抜くだけ……。多くの広告代理店は単なるブローカーと言って差し支えありません。

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