「かぼちゃの馬車」事件で不動産投資ブーム、終結。ウィステリア・グループ株式会社の代表である藤本好二氏は、書籍『不動産投資業者のリアル』(幻冬舎MC)にて、新築1R業者・客付仲介会社・管理会社・買取販売会社をはじめ、ブームの陰で暗躍していた「極悪な業者」の実態を大暴露している。

あなたは騙されないですか?悪徳業者の殺し文句3選

■「保険、年金、預金」が殺し文句

 

1R業者の営業トークにはマニュアルが存在しており、電話をかけてくる営業マンたちは口を揃えて同じことしか言いません。彼らは不動産を売るというより保険を売るような感覚で電話をかけてきます。新入社員向けの講習でも、3つのことしか教えません。決まり文句は、「保険、年金、預金」です。その言い分を見てみましょう。

 

「預金代わりにぜひ!」・・・低金利が続く中、銀行にお金を預けておいてもしょうがないでしょう。株式や外貨預金はハイリスクであり、なかなか難しいもの。しかしマンションを購入すれば、毎月安定して家賃収入が発生するため、いわば高利の利息が受け取れる預金をしているようなものです。

 

「万一のときの保険になります!」・・・ローン完済前に、万が一のことがあって亡くなってしまっても大丈夫です。ローンを組む際についている「団体信用生命保険」を活用すれば、ローン残高のすべては保険で支払われ、残された家族の方々はローンを負うことなく、マンションだけが手元に残ります。マンション経営は、生命保険に加入するのと一緒なのです。

 

「年金を増やしましょう!」・・・保険会社の年金商品は、利回りが低いもの。家賃収入として高率な利息が継続して受け取れるマンション経営は、ローン完済後にはさらに大きな利益が得られ、年金と併せれば豊かな老後が送れます。

 

これを読んで、「そうかもしれない」「なんだかよさそう」と思ってしまう人は、残念ながら「いいカモ」にされてしまいます。

 

全体としていえるのは、デメリットに一切触れていない、ということです。

 

預金に関しては、ほとんどの場合が高利のノンバンクから借金することになり、数%の金利を背負うのを忘れてはいけません。そして常に部屋が埋まっているならともかく、入居が付かなければ赤字が続き、むしろ持ち出しが増えます。保険については、経営のリスクを考慮すれば、わざわざマンションを購入せずとも一般的な生命保険に入ったほうが割はいいです。

 

ローン完済後には確かに家賃収入の多くが手元に残るようになりますが、35年などローンの期間が長く、その間中、黒字を出し続けるのは至難の業(わざ)です。中古になれば家賃を下げる必要も出てきますから、同じ収入がずっと続くはずがありません。

 

■「精神的に追い込んで買わせる」悪質な手口

 

冷静に考えれば分かるはずですが、なぜ営業トークに乗せられて購入してしまう人が多いのかといえば、前述の「逆切れ商法」によって思考が奪われるからです。電話口ならまだしも、実際に悪徳業者と会ってしまえば、高確率でその毒牙(どくが)にかかります。具体的にどのように圧力をかけてくるのか、その一端を会話形式で紹介します。

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不動産投資業者のリアル

不動産投資業者のリアル

藤本 好二

幻冬舎メディアコンサルティング

「かぼちゃの馬車」事件で不動産投資ブーム、終結。 新築1R業者、客付仲介会社、管理会社、買取販売会社。ブームの陰で暗躍していた「極悪な業者」の実態を大暴露。

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