高度成長期に誕生…大規模団地で高齢化が進行
そんな「竹ノ塚」周辺は、不動産投資の観点でみていくと、どのようなエリアなのでしょうか。見ていきましょう。
まずエリアの人口構造をみていきます。直近の国勢調査をみてみると(図表2)、「竹ノ塚」のある足立区の人口は67万人強で、東京23区のなかでは5番目に多い人口を誇ります。23区平均と比べると、子どもと高齢者が多く、労働者層は少ないという構造から、ファミリー層が多いエリアだということがわかります。
一方、「竹ノ塚」周辺に絞ってみていくと、区平均と比較して、若者が少なく、高齢者が多いという傾向があります。高度成長期に造成された団地では、住民の高齢化が進んでいるため、このような結果になったのだと推測されます。また区平均よりも外国人比率のポイントが高いのは、前出の通り、フィリピン人コミュニティが構築されている点などが影響していると思われます。
次に、世帯についてみていきましょう(図表3)。足立区では単身者世帯の割合が、23区平均よりも9ポイント近く低く、ファミリー層に選ばれるエリアであることがわかります。これは賃貸物件における世帯数と世帯人数の関係(図表4)からも明らかです。また「竹ノ塚」周辺では、区平均より若干、単身者が多く、なかでも単身の高齢者世帯が3ポイント近くも高いという結果に。団地入居者の高齢化が、地域の問題になっていると推測できるでしょう。
中古マンションの取引数は上昇トレンド
賃貸マーケットの状況をみていきましょう(図表5)。最寄駅からの1Kの賃貸物件の平均家賃をみていくと、足立区平均では、駅10分以内で5.96万円、11分以上が5.80万円。「竹ノ塚」だけに焦点をしぼっていくと、駅チカでは、若干区の平均を下回る程度。しかし駅から離れていくと、その差は大きくなっていきます。賃貸物件の家賃において、「竹ノ塚」駅周辺は、駅からの距離をうけやすいエリアだということがわかるでしょう。
次に賃貸物件の築年数の分布をみていきましょう(図表6)。足立区で多いのが1980年代に建てられた、築30~40年ほどの物件で、全体の5分の1強を占めます。一方で、2010年以降、新築物件の供給も盛んで、23区平均を上回っています。
そんな足立区の中古賃貸物件の取引価格(図表8)は、1平米あたり30万円強。23区平均の半値以下で、お得感を覚えるエリアです。また竹ノ塚周辺の中古マンションの取引件数(図表9)は、この5年間、緩やかな上昇トレンド。活発な不動産取引がされているエリアだといえるでしょう。