近年では離婚や再婚が増加傾向であり、それに伴って家族関係が複雑になるケースも増えています。いまは円満な関係でも、相続となった段で問題が生じるリスクもあるため「遺言書」の作成は非常に重要です。「親族と絶縁してしまった」「財産を手放す羽目になった」といった後悔をしないためにも、トラブル事例を見ていきましょう。相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が、実際に寄せられた相談内容をもとに解説します。

「財産はできる限り妹に渡す」内容で遺言書を作成

このたびのS木さんのケースでは、子どもがいないため、S木さんが亡くなったときの相続人は夫と妹になります。法定割合は上記のS木さんの言葉通り、夫が4分の3、妹が4分の1となり、配偶者である夫のほうが高くなります。

 

 

もしS木さんが先に他界した場合、夫に相続された財産は、いずれ夫の先妻の子どもに相続されることになります。また、もともとはS木さんの父親の不動産であっても、名義を夫にしてしまえば、血のつながりのない夫の先妻の子どもへと相続され、妹家族はなにも口出しすることができません。

 

一方で、夫が先に亡くなった場合にも注意が必要です。当然ですが、相続人は妻だけではなく、夫の実子である先妻の子も含まれます。そのため、財産の内容によっては、夫を亡くした妻の生活が不安定になるリスクもあるため、「相続人のその後の暮らし」にまで配慮した遺言書の作成が大切になります。被相続人の立場となる方には、先々まで考慮した遺言書の作成をお勧めします。

 

 

※プライバシーに配慮し、実際の相談内容と変えている部分があります。

 

曽根 惠子

株式会社夢相続代表取締役

公認不動産コンサルティングマスター

相続対策専門士

 

本記事は、株式会社夢相続が運営するサイトに掲載された相談事例を転載・再編集したものです。

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