近年では離婚や再婚が増加傾向であり、それに伴って家族関係が複雑になるケースも増えています。いまは円満な関係でも、相続となった段で問題が生じるリスクもあるため「遺言書」の作成は非常に重要です。「親族と絶縁してしまった」「財産を手放す羽目になった」といった後悔をしないためにも、トラブル事例を見ていきましょう。相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が、実際に寄せられた相談内容をもとに解説します。

若いうちから「遺言書」を準備したほうがいい理由

先にも述べたように、先妻の子、後妻、後妻の子…といった複雑な家族関係は、状況の変化によってこじれることがあります。Y崎さんが懸念しているように、一家の主軸となっているY崎さんが亡くなることで家族の力関係が変化し、現在の妻が後妻の子どもたちを追い出す可能性も捨てきれません。

 

また、Y崎さんの資産のなかで最も割合が高いのはマンションであり、こちらの処分について言及しておかないと、先妻の子どもたちが遺産配分で不利になるリスクもあります。

 

 

遺言書は、高齢になってからいざ用意しようと思っても、本人の健康問題やその他の要因が重なるなどして、迅速な対応ができません。また、遺言書の執行時に子どもが未成年の場合は後見人が必要ですので、その点も忘れずに対策を立てておきましょう。

 

最近はステップファミリーも増え、家庭にY崎さんのような事情がある方は珍しくありません。先々に不安がある場合は、遺言書を早めに用意しておけば安心できます。
 

 

※プライバシーに配慮し、実際の相談内容と変えている部分があります。

 

曽根 惠子

株式会社夢相続代表取締役

公認不動産コンサルティングマスター

相続対策専門士

 

本記事は、株式会社夢相続が運営するサイトに掲載された相談事例を転載・再編集したものです。

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