ウェブマーケティング業界は楽して儲けようという人が多いと指摘するのは後藤ブランド社長の後藤晴伸氏だ。「高い費用をかけても売り上げは伸びなかった」「報告書を読んでも、担当者に聞いても何をしているのかわからない」「契約したとたん対応が悪くなった」……。同業者にとって耳の痛いウェブマーケティングの実態を暴き、本当の魅力を伝える。本連載は後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)の抜粋原稿です。

広告主からピンはねする悪徳代理店も

管理画面を分かりやすくまとめて月次レポートを作るのであればいいのですが、元の管理画面のデータの閲覧を要求すると、「運用ノウハウを開示することになるので社外には出せない」と拒否します。しかし本来、管理画面は広告主が当然知る権利があるデータです。それを間に入った会社が見られてクライアントは見られないのはおかしな話だと言わざるを得ません。

 

広告代理店などにウェブ広告を依頼している企業には、管理画面というものがあって、広告主は見る権利があるということを知っておいていただきたいと思います。

 

毎月送られてくるレポートも、業界の裏事情が分かると信用できません。実際にある広告代理店が書き換えをしていたと、その下請け先の会社にいた知人が教えてくれました。

 

その代理店は各種のウェブ広告を扱っていましたが、リスティング広告については自社で運用できるノウハウがなく、契約が取れるとすべて外部に丸投げしていました。私の知人はその広告代理店の担当者に同行してクライアント企業を訪問したところ、1件当たり2500円のコストで取れていたコンバージョンが3000円とレポートに書いてあるのを見てしまったのだそうです。

 

このときクライアント企業は広告代理店に、1コンバージョンに3000円までかけてもよいという条件で依頼していました。実際に知人がやってみたところ2500円のコストで済んだので、その通り広告代理店には報告していました。それなのにクライアントには3000円で請求し、差額の500円をピンはねしていたというわけです。

 

広告効果があったように見せるだけでなく、そこまでするのかと私も驚きました。もしクライアントが管理画面を見てピンはねの事実に気づいたら大変なことになりますが、管理画面のデータを知らせないようにしているので、どうせ分からないとタカをくくっているのでしょう。

 

契約を取ってお金をもらうというだけの発想のウェブマーケティング会社は、クライアントにとって必要であるかどうかは関係なく、まだやっていなければやったほうがいいという営業スタンスで攻めてくるところがほとんどです。

 

その典型が、「サイトのアクセス数を上げるにはSEOを始めるのが当たり前」というセールストークで売り込むSEO会社です。

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増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

後藤 晴伸

幻冬舎メディアコンサルティング

業界を知り尽くした著者がウェブマーケティング業界の闇を暴露する衝撃の一冊。 インターネットがビジネスでも必須の存在となり、ウエブを活用した賞品宣伝や集客が当たり前になり、検索順位を上げたり、広告から商品の購入に…

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