中小企業社長の「税務会計を見て経営判断」が超危険なワケ

企業会計には「税務会計」「財務会計」「管理会計」の3種類があり、それぞれ役割が異なっています。しかし、これらの理解があいまいな経営者も少なくなく、判断を誤れば会社を危機的状況に追い込んでしまうリスクもあります。本記事では、3種類の会計の役割を明確にするとともに、経営への活用法を解説します。※本記事は『5G ACCOUNTING 最速で利益10倍を目指す経営バイブル』(幻冬舎MC)から抜粋・再編集したものです。

会計が分からない経営者は、経営者失格

そもそも企業経営において、なぜ会計が必要なのでしょうか。

 

「会計」とは一般に、企業など組織の現状や活動の成果を「簿記」という方法を使って記録することです。その記録をさまざまな関係者(ステークホルダー)に提供し、それぞれの必要に応じて利用することが目的です。

 

例えば、税金を納めるには1年間にどれくらい利益が上がったか計算し、税務署に申告しなければなりません。あるいは、銀行から融資を受けようとすれば、どれくらい売上や利益を稼ぐ力があるかを客観的に証明しなければなりません。

 

また、経営者にとって会計は、経営判断の重要な指針となります。バブル経済のころであれば、経営判断が甘くても儲かりました。経済成長の大きなサイクルの中で、誰が経営しても一定の成果が得られました。必要だったのは、不動産や株に投資する決断力だけだったといっても過言ではないでしょう。

 

しかし、その後どうなったかは皆さんご存じです。5の努力で10の成果が生まれると、それが当たり前になります。今は10の努力で5の結果しか出ない時代です。そうした環境で的確に経営判断を下し、臨機応変に事業のあり方を見直しながら進んでいくには、会計の情報が不可欠なのです。

 

中小企業の経営において、クラウド型AI会計システムが必要不可欠な時代が到来している。
中小企業の経営に、もはやAI会計システムは不可欠だ。

 

すなわち、経営者が会計を社内の経理担当者や顧問税理士に任せておくだけではだめです。企業の成長には技術力や営業力、財務力などさまざまな要素が欠かせませんが、それらに加えて経営者の会計力の重要性がますます高まっています。

 

これからの時代、会計が分からない経営者は、経営者失格だといっても過言ではないと思います。

「税務会計・財務会計・管理会計」の違いがわかるか?

会計は政府やNPOなどでも使われますが、特に営利企業に適用される会計を「企業会計」といいます。

 

企業会計には大きく分けて、「税務会計」「財務会計」「管理会計」の3種類があります。それぞれ共通点もありますが、むしろ目的が大きく違い、それに伴い処理の仕方も異なるので注意が必要です。

 

(1)税務会計

税務署(国税庁)や地方自治体などの課税庁を外部のステークホルダーとして、税法の規定に従って処理する会計です。分かりやすくいえば、企業が税務申告のため決算書を作成するのが税務会計です。「財務会計」の一種とする考え方もあります。

 

(2)財務会計

取引先や金融機関など広く外部のステークホルダーに企業の財務状態や経営成績などの情報を提供するための会計です。多くの関係者に公表されることから、会社法や上場企業であれば金融商品取引法などに則り、公正だと認められる会計慣行に従って処理する必要があります。

 

(3)管理会計

管理会計は、経営者や部門責任者など社内のステークホルダーが利用する会計です。原価管理や損益分岐点分析など、さまざまな手法を用いて経営方針を検討するために用いられます。

 

これら三つの企業会計の関係において、まず注意すべきなのは「税務会計」と「財務会計」の違いです。

株式会社YKプランニング 代表取締役

1976年3月6日生。山口大学経済学部卒業。学校法人大原簿記法律専門学校で簿記・税理士講座の講師を務めたのち、現在代表を務める㈱YKプランニングの母体となる㈱行本会計事務所に入所。

会計事務所勤務時代には福岡・広島・山口を中心に200件を超える中小企業の経営計画策定と経営再建、資金繰り支援業務に携わる。

会計仕訳データを活用した特許を複数取得し、現在提供している中小企業経営者向けクラウド型AI会計システムの利便性向上へと繋げている。また、会計事務所専用AI会計システム「財務維新」の総責任者でもあり、700件を超える会計事務所とともに“未来予測会計”を推進中。

著者紹介

税理士法人SHIP 代表社員税理士
株式会社SHIP 代表取締役 

1970年8月31日生。立命館大学経営学部卒業・名古屋商科大学大学院修了(経営学修士)・京都大学上級経営会計専門家(EMBA)プログラム修了。愛知県を中心に静岡県・関東方面まで対応エリアとしている税理士。

1976年から続く鈴木今朝由税理士事務所の二代目として本業の税務会計業務を遂行する一方、経営計画を主軸とした組織構築や事業承継、後継者育成など、常に中小企業経営者の悩みに寄り添った支援を行っている。

クラウド型AI会計システム(bixid)とweb会議システムを組み合わせた経営の見える化の先駆者であり、中小企業経営者と会計事務所の新しい働き方を提唱しているMBA税理士。

著者紹介

連載5G ACCOUNTING…最速で利益10倍を目指す「未来予測会計」とは

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