本記事では、収益物件の売買や仲介事業を展開する株式会社BRAVEの代表取締役・山部和孝氏が、同業だからこそ見えてくる不動産投資の実態について、投資家から寄せられた意見を取り上げながら解説していく。 ※本連載は、『投資会社トップが激白!業者が「投資家を騙す」30のワード 不動産業者のハナシは信用するな』より一部を抜粋・編集したものです。

1日入居しただけで「空室ありません」と言い張る強者

【Case1:空室があるのに入居率98%?】

 

某管理会社が「弊社は入居率98%以上で、万一空室が出てもネットワーク力ですぐに借主が見つかります」と資料を送ってきた。その物件が気になって何度か足を運んだら、空室らしき部屋もあって、どう考えても98%ではないと思うのだが、本当のところはどうなのか知りたい。

 

(写真:PIXTA)
(写真:PIXTA)

 

 

 

マンションでもビルでも、空室はつきものだ。いくら人気のエリアに立地していたとしても、借主の身に何かが起これば、退去せざるを得ないことも生じるもの。そうなれば、次に契約した借主が入居するまでに掃除が必要になるし、場合によっては修繕や改装をしなければならないこともある。その期間は誰かがその部屋を使うことはできないから、必然的に空室の期間が発生するのだ。

 

そんなことは、素人でも想像すればわかることだ。それでも入居率にこだわるのはなぜか。それは、空室=家賃収入がなくなることを意味するからだ。つまり、入居率が低くなれば、実質利回りも低くなる。儲からないのだから、担保評価される金額も目減りする。当然、そんな物件を好き好んで買う客はいないだろう。だから少しでも良く見せようとする。

 

幸いにして、入居率というものは細かな算出方法が決まっているわけではない。ちゃんと空室率を計算するなら、家賃発生日/365日×100で計算するべきなのだが、ちゃんとした計算方法をどの広告も載せていない。業者によっては、月単位で稼働率計算を行い、1日でも入居すればその月は稼働で処理して誤魔化す場合もある。というか概ね管理会社の稼働率なんて後者での計算が圧倒的かと思う。

 

普通に計算したら退去から原状回復を最短で処理しても3日は必要だ。募集が予約で埋まる部屋なんて世の中にそんなにない。なので平均1ヵ月程度は空室になる事が多い。そうすれば稼働率は91.78%になる。

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不動産業者のハナシは信用するな

不動産業者のハナシは信用するな

山部 和孝

クロスメディア・パブリッシング(インプレス)

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