FOMC後の金利低下とドル安を受け、再び動き出す金価格

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FOMC後の金利低下とドル安を受けて、再び金価格は上昇した。さらにパウエルFRB議長は中期的な経済成長に対し厳しい見通しを示した。過去ドルの長期循環をみると、景気減速局面ではドル安となる傾向があった。もしゼロ金利政策継続に加えドル安が加わるのであれば、金価格にとってはプラス要因となると考える。

2022年までゼロ金利継続が示唆される中、金利低下とドル安を受けて、金価格は上昇

米連邦公開市場委員会(FOMC)は10日、新型コロナウイルスの感染拡大への対策が、経済活動の深刻な落ち込みと急激な雇用喪失を引き起こし、短期的には経済活動、雇用、インフレにとって大きな重荷となるとともに、中期的には経済見通しにとって深刻なリスクとなることを示した。この状況を考慮し、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを0~0.25%に据え置くことを決定するとともに、家計と企業の信用の流れを支えるために、今後数ヵ月は少なくとも現状のペースでの国債などの購入継続を決めた。これを受けて株式市場はもみ合う中、米国長期金利とドル指数は低下し、金価格は上昇した(図表1参照)。

 

日次、期間:2020年1月1日~2020年6月10日、ドル指数は逆目盛り ※ブルームバークのデータ基づきピクテ投信投資顧問作成
[図表1]ドル指数と金価格の推移 日次、期間:2020年1月1日~2020年6月10日、ドル指数は逆目盛り
※ブルームバークのデータ基づきピクテ投信投資顧問作成

ゼロ金利政策継続と、ドル安は金にとってのサポート材料に

足元の金価格だが、5月14日からドル指数の下落が続いているにもかかわらず上値の重い展開となっていた。その背景にはリスク選好の高まりがあったと考えられる。株価は上昇し債券利回りも上昇(価格は下落)していた。そうした中、今回のFOMCで2022年までのゼロ金利政策継続が示唆された事に加え、国債などを月額1,200億ドル買い入れる方針も示され、株価はもみ合う中、債券利回りは低下(価格は上昇)、ドル指数も低下したことが金価格の上昇につながったと考えられる。その中で今回はドル指数の動きに注目したい。

 

ドル指数と米国実質GDP成長率との関係を長期にわたり振り返ってみると、タイミングの前後はあるが米国経済が落ち込む時にはドル安が起きて交易条件の改善により経済回復の支えとなる一方で、米国経済が力強く成長した時にはドル高が起き、対外直接投資がより容易になる、といった長期循環が観察できる。

 

今回のFOMCでは2020年の米実質GDP成長率見通しは-6.5%(前年比)と下方修正されたが、それは足元のドル安と整合的だ。もし、これから数年にわたりゼロ金利政策が継続するだけにとどまらず、長期的なドル安の中にすでにいるのだとすれば、それはドルの価値の減価とともに金への投資需要の拡大の要因となると考えられる。

 

四半期ベース、期間:1968年第1四半期~2020年第1四半期 ※実質GDP成長率は4四半期移動平均  ※ブルームバークのデータ基づきピクテ投信投資顧問作成
[図表2]ドル指数と米実質GDP成長率の推移 四半期ベース、期間:1968年第1四半期~2020年第1四半期
※実質GDP成長率は4四半期移動平均
※ブルームバークのデータ基づきピクテ投信投資顧問作成

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『FOMC後の金利低下とドル安を受け、再び動き出す金価格』を参照)。

 

(2020年6月11日)

 

塚本 卓治

ピクテ投信投資顧問株式会社

投資戦略部長

 

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ピクテ投信投資顧問株式会社
運用・商品本部 投資戦略部 投資戦略部長

日系証券会社にて債券及びデリバティブ業務に従事した後、外資系運用会社および日系ファンド・リサーチ会社にて投資信託のマーケティングを担う。通算20年以上にわたり運用業界で世界の投資環境を解説。ピクテではプロダクト・マーケティング部長等を経て、現職。経験豊富なストラテジストが揃う投資戦略部を統括する傍ら、自らも全国の金融機関や投資家を対象に講演を行う。

マサチューセッツ工科大学(経営学修士)、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト

著者紹介

ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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