日本では年間約130万人の方が亡くなっています。つまり相続税の課税対象になろうが、なかろうが、130万通りの相続が発生しているのです。お金が絡むと、人はとんでもない行動にでるもの。トラブルに巻き込まれないためにも、実際のトラブル事例から対策を学ぶことが大切です。今回は、編集部に届いた事例のなかから、嫁姑問題に絡んだ相続トラブル事例をご紹介。円満相続税理士法人の橘慶太税理士に解説いただきました。

嫁姑バトル勃発!祖母の怒りは、思わぬ方向へ

「なぜ、あんなに仲が悪くなったのか、首をかしげるばかりです」

 

そう話すAさん。仲が悪いのは母とその義母、Aさんにとっては父方の祖母です。いわゆる嫁姑問題で長年いがみ合っているのです。

 

父は三人兄弟の長男で、一家は父の両親と同居をしていました。そのころの母と祖母は仲が良かったと、Aさんは振り返ります。

 

「よく母と祖母、2人で台所に立っていましたね。代々伝わる一家の味を、お嫁さんに伝える……傍から見ている分には、仲の良い嫁と姑、という感じでしたけどね」

 

Aさんは大学進学と同時に家を出て1人暮らしを始めたので、それ以降、母と祖母がどのような関係だったのかは、はっきりとしません。ただ年に数回帰省した際も、2人の関係は相変わらずだったと記憶しています。

 

そんな関係に変化があったのが、Aさんが30歳になったとき。父が55歳で他界したのがきっかけでした。5年に渡る闘病生活。一時は仕事に復帰できるほど回復をしましたが、急な病状悪化で帰らぬ人になったのです。

 

そしてひと通り葬儀が終わったある日、Aさんの家のチャイムを鳴りました。そこには、Aさんの母の姿があったのです。

 

「どうしたの?」とAさんが聞けば、「家を出てきた」と母。聞けば、元々嫁姑の関係は上手くいってなかった、外面は良く見せていたけど、陰ではいびられ続けてきた、というのです。

 

「お父さんもいないんだし、もうあの家にいる義理なんてないわ」と母。

 

――あんたの作るみそ汁は、いつまで経っても味が薄い。出汁の取り方がなっていないからだ

 

――まだ部屋の隅に埃が残っている。どこに目がついているんだか……

 

――あんたはいつも化粧が濃い。田舎でそんな顔して、どこに行く気か

 

父が病気になってからは、

 

――あんたがしっかりした嫁だったら、病気になんてならなかった

 

と、言われ続けてきたといいます。とはいえ、そのころAさんは結婚し、第1子が生まれたばかり。ただでさえ手狭になった家に、実の母とはいえ大人が1人増えるのはちょっと……と困惑し、祖母に電話したところ、Aさんも怒鳴られたといいます。

 

「祖母に『あんな女をかくまっているのは、あんたも同罪だ!』と怒られました。ビックリですよ、声を荒げる祖母の声を初めて聞いたので……」

 

結局、祖母と母は冷戦に突入。祖母の母に対する憎悪は、時にAさんにも向けられたといいます。

 

「私はたまに祖母の家に行くようにしてるんですよ。ひ孫の顔を見せたら、少しは怒りも収まるかなと考えて。祖母もあくまでも嫁姑の問題で、孫である私は関係ないと頭ではわかっているみたいですが、孫まで憎いと感じるときがあるみたいで……」

 

母が家を出てからあっという間に5年の月日が経ちましたが、母と祖母の関係は悪化していくばかり。そんなとき、また新たな火種となるできごとが……。祖父が亡くなったのです。

 

仲良く見えたのに…
仲良く見えたのに…

 

 

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※本記事は、編集部に届いた相続に関する経験談をもとに構成しています。個人情報保護の観点で、家族構成や居住地などを変えています。

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