日本では年間約130万人の方が亡くなっています。つまり相続税の課税対象になろうが、なかろうが、130万通りの相続が発生しているのです。お金が絡むと、人はとんでもない行動にでるもの。トラブルに巻き込まれないためにも、実際のトラブル事例から対策を学ぶことが大切です。今回は、編集部に届いた事例のなかから、疎遠になった相続人に関連した相続問題をご紹介。円満相続税理士法人の橘慶太税理士に解説いただきました。
解説:遺産相続協議は法定相続人全員で進めるべき
遺産分割はとてもシンプルで、遺言書があればそれに則って行い、ない場合は、法定相続人が話し合い、分割方法を決めていきます。この遺産分割協議は、相続人全員で行わないといけません。
今回の事例では、このあと、長男と連絡が取れないからといって、勝手に遺産分割協議を進めることはおすすめしません。
遺産分割を請求する権利は、期間経過によって消滅しない、つまり時効という概念がないため、後々、相手から遺産分割協議を請求されたら、応じなければいけません。このようなことがあるので、一方的に遺産分割協議は進めるべきではないのです。
それでも、どうしても相続人が見つからない、連絡が取れない、ということはあります。そのような場合は、プロに相談するのが、解決までの一番の近道です。
【動画/筆者が「相続発生後のタイムスケジュール」について分かりやすく解説】
解説:橘慶太
円満相続税理士法人
円満相続税理士法人
代表 税理士
大学受験の失敗から一念発起し税理士を志す。大学在学中に税理士試験に4科目合格(法人税法の公開模試では全国1位)し、大学卒業前から国内最大手の税理士法人に正社員として入社する。
勤務税理士時代は相続専門の部署で6年間、相続税に専念。これまで手掛けた相続税申告は、上場企業の創業家や芸能人を含め、通算400件以上。また、銀行や証券会社を中心に、年間130回以上の相続税セミナーの講師を務め、27歳という若さで管理職に抜擢される。
2017年1月に独立開業し、現在7名の相続専門税理士が在籍する円満相続税理士法人の代表を務める。週刊ポストや日本経済新聞、幻冬舎、女性自身など、様々メディアから取材を受けている。また、自身で運営しているYouTubeのチャンネル登録者は6万人を超えており、相続分野では日本一のチャンネルに成長している。
円満相続税理士法人:https://osd-souzoku.jp/
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