どこの街に住むかの選択は、仕事やプライベートに大きな影響を与える。さらに家賃が家計支出の大きなウェイトを占めることを考えると、居住地は資産形成までも左右するといえる。総合的に考えて住みやすい街はどこなのだろうか? 20代後半から30代前半の単身の会社員の住み心地を考えていこう。今回取り上げるのは、京急本線「立会川」駅。

 

駅周辺は、小規模な商店街が広がるほかは、閑静な住宅街。徒歩圏内に大きな「しながわ区民公園」があり、しながわ水族館も歩いて行けるから、ファミリー層にはうれしい限り。しかし大井競馬場が駅から近くにあるため、レース開催日は、街の雰囲気がガラリと変わります。

 

このような「立会川」駅周辺の居住性をみていきましょう。まずは駅周辺の家賃相場です。「立会川」は、徒歩10分以上歩くと、隣駅が最寄りのエリアになったり、運河等があったりするため、徒歩10分圏内のみが居住エリアと考えます。駅から徒歩10分圏内の1Kの平均家賃は9.32万円(図表1)。品川区全体で同条件の平均家賃は8.8万円で、区平均より5,000円以上家賃水準が高いエリアとなっています。

 

出所:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会調べ(4月17日時点) ※単位は万円
[図表1]「立会川」駅周辺の平均家賃 出所:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会調べ(4月17日時点)
※単位は万円

 

厚生労働省が発表している「賃金構造基本統計調査」によると、都内勤務の男性会社員の平均月給は、25~29歳で27.5万円、30~34歳で34.1万円、神奈川県勤務で25~29歳で26.1万円、30~34歳で30.5万円となっています(図表2)。企業規模によって平均給与は異なりますが、そこから住民税や所得税などを差し引いた手取り額の1/3以内を適正家賃と考えると、都内勤務20代後半は6.9万円、神奈川県勤務は6.7万円、都内勤務30代前半は8.5万円、神奈川県勤務は7.6万円となります。

 

出所:厚生労働省「賃金構造基本統計調査 」 ※10名以上の企業対象 ※数値は所定内給与額 ※単位は万円
[図表2]20代後半、30代前半の平均月給 出所:厚生労働省「賃金構造基本統計調査 」
※10名以上の企業対象
※数値は所定内給与額
※単位は万円

 

 

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このようにみていくと、「立会川」周辺は会社員の手取りでは居住が難しい家賃水準です、一方、大手賃貸ポータルサイトで同条件で物件を検索すると、7万円台の賃貸物件も見つかります。しかし専有面積が20平米以下だったり、築年数が30年以上だったりと、社会人の1人暮らしとして考えると、候補からは外れそうな物件が大半のようです。

 

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