京急本線「立会川」駅…坂本龍馬を推しまくる街の住み心地は?

どこの街に住むかの選択は、仕事やプライベートに大きな影響を与える。さらに家賃が家計支出の大きなウェイトを占めることを考えると、居住地は資産形成までも左右するといえる。総合的に考えて住みやすい街はどこなのだろうか? 20代後半から30代前半の単身の会社員の住み心地を考えていこう。今回取り上げるのは、京急本線「立会川」駅。

「坂本龍馬」縁の街…家賃水準は会社員の適正以上

「立会川」駅は東京都品川区にある、京急本線「品川」駅から5駅目の急行停車駅です。1日の平均乗降客数は2万人弱ほどです。

 

名前の由来となっている立会川は、目黒区~品川区を流れ東京湾へと注ぐ二級河川。大部分が暗渠となっていますが、「立会川」周辺では姿を現します。

 

また「立会川」駅の周辺は、坂本龍馬に縁の深い地として知られています。駅東側、品川区立北浜川児童遊園には龍馬のブロンズ像が立っています。もともとこの辺りには、土佐藩の鮫洲抱屋敷があり、敷地内に浜川砲台が築かれました。坂本龍馬も、この地で守備についたとされているのです。この龍馬、20歳のころの姿を再現し、よく知られたブーツではなく草履を履いている、全国的にも珍しいブロンズ像です。

 

そんな「立会川」は、商店街も坂本龍馬をおしています。龍馬像を中心に、約40店舗からなる商店街「立会川駅前通り繁栄会」では、龍馬ラーメンや砲台そばなど、龍馬にちなんだ商品を見つけることができます。またマスコットキャラクターは「りょうまくん」と、東京では数少ない龍馬と縁の深い商店街として、街をあげて活動をしています。そのため、全国から龍馬ファンがちらほら。最近は外国人観光客の姿をみることも多くなったといいます。

 

 

駅周辺は、小規模な商店街が広がるほかは、閑静な住宅街。徒歩圏内に大きな「しながわ区民公園」があり、しながわ水族館も歩いて行けるから、ファミリー層にはうれしい限り。しかし大井競馬場が駅から近くにあるため、レース開催日は、街の雰囲気がガラリと変わります。

 

このような「立会川」駅周辺の居住性をみていきましょう。まずは駅周辺の家賃相場です。「立会川」は、徒歩10分以上歩くと、隣駅が最寄りのエリアになったり、運河等があったりするため、徒歩10分圏内のみが居住エリアと考えます。駅から徒歩10分圏内の1Kの平均家賃は9.32万円(図表1)。品川区全体で同条件の平均家賃は8.8万円で、区平均より5,000円以上家賃水準が高いエリアとなっています。

 

出所:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会調べ(4月17日時点) ※単位は万円
[図表1]「立会川」駅周辺の平均家賃 出所:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会調べ(4月17日時点)
※単位は万円

 

厚生労働省が発表している「賃金構造基本統計調査」によると、都内勤務の男性会社員の平均月給は、25~29歳で27.5万円、30~34歳で34.1万円、神奈川県勤務で25~29歳で26.1万円、30~34歳で30.5万円となっています(図表2)。企業規模によって平均給与は異なりますが、そこから住民税や所得税などを差し引いた手取り額の1/3以内を適正家賃と考えると、都内勤務20代後半は6.9万円、神奈川県勤務は6.7万円、都内勤務30代前半は8.5万円、神奈川県勤務は7.6万円となります。

 

出所:厚生労働省「賃金構造基本統計調査 」 ※10名以上の企業対象 ※数値は所定内給与額 ※単位は万円
[図表2]20代後半、30代前半の平均月給 出所:厚生労働省「賃金構造基本統計調査 」
※10名以上の企業対象
※数値は所定内給与額
※単位は万円

 

このようにみていくと、「立会川」周辺は会社員の手取りでは居住が難しい家賃水準です、一方、大手賃貸ポータルサイトで同条件で物件を検索すると、7万円台の賃貸物件も見つかります。しかし専有面積が20平米以下だったり、築年数が30年以上だったりと、社会人の1人暮らしとして考えると、候補からは外れそうな物件が大半のようです。

交通利便性は高いが、利用できる店舗は限られる

次に交通の利便性をみてみましょう。「立会川」から「品川」は、京急本線エアポート急行を利用して8分。また京急本線は「泉岳寺」駅から都営地下鉄浅草線に乗り入れ、「新橋」19分、「日本橋」25分と、都心方面にダイレクトにアクセスできます。さらに「京急川崎」14分、「横浜」25分と、神奈川方面へのアクセスも良好です(所要時間は、平日8時に「立会川」駅を出発する場合の目安)。

 

平日の通勤時間帯8時には10本の電車が停まり、そのうち5本はエアポート急行。都内私鉄の急行停車駅としては、停車本数が少なめですが、待ち時間にストレスを感じるほどではないでしょう。地理的に、東京方面も神奈川方面も通勤エリアとして考えられる、ハイブリッドなエリアと言えるでしょう。

 

生活の利便性を見ていきます。駅周辺には目立った商業施設はありません。駅周辺に小型スーパーが2店あり、ある程度の最寄り品は揃えることができるでしょう。また駅東側、首都高を越えて徒歩7分のところにあるのが、ショッピングモール「ウィラ大井」。インテリアショップの「ニトリ」や、ホームセンター「ホーマック」、スーパーマーケット「文化堂」など、多彩なショップが揃っているので、駅東側に居住する場合は重宝するでしょう。

 

また飲食店は、1人暮らしでも入りやすいチェーン系の店舗は駅周辺には1店舗のみ。あとはファミリーレストランが国道15号沿いに点在する程度で、外食派が満足できるほどバリエーションがあるわけではありません。前出のショッピングモール「ウィラ大井」には、数店舗の飲食店があるので、駅東側の居住であれば、利用頻度が高そうです。

 

また、駅から北西の東大井3丁目あたりは、JR京浜東北線「大井町」駅も利用できるエリア。「大井町」駅周辺は、買い物スポットも飲食スポットも充実しています。2線利用できる交通、生活、双方の利便性を兼ね備えたエリアといえるでしょう。

 

「立会川」は、都心、神奈川双方のエリアにアクセスできる交通利便性の高い街です。一方で家賃水準は高め。専有面積が狭い、築年数が古いなど、制約のある物件を選ぶ覚悟が必要です。一方で駅周辺は住宅地で、商店の集積はそれほど見られません。必要最低限の生活利便性は兼ね備えています。

 

GGOとは、GENTOSHA GOLD ONLINE(幻冬舎ゴールドオンライン)の略称。『あなたの財産を「守る」「増やす」「残す」ための総合情報サイト』を掲げ、企業オーナー・富裕層を主要読者ターゲットとして運営している(写真は編集長の立本正樹)。

著者紹介

連載データから紐解く「住みやすい街」

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧