本記事では、株式会社トライブ代表取締役社長大山一也氏の書籍『資産10億円を実現する 医師のための収益物件活用術』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、医師の資産形成について解説します。※「医師×お金」の総特集。特設ページはコチラ

時間のない医師に「理想的な資産運用方法」がある

医師の資産形成には、4条件に当てはまることが必須と考えます。

 

① 手間をかけずに確実に儲かる

② 予備知識がそれほど必要ない

③ 節税効果がある

④ 10億円の資産形成の道筋が具体的に描ける

 

その点、不動産投資は、基本的に時間のない医師にとって理想的な資産運用方法です。その理由を説明しましょう。

 

「毎日値動きを気にしてソワソワ」がない!

理由① 頻繁に売買しなくても、長期投資で確実に資産を築ける

 

株式、投資信託、FXが医師にとってデメリットとなる理由は、値動きを常にチェックする時間が必要ということです。現状でさえ健康状態に不安を覚えるほど多忙なのに、そんな時間はないはずです。一方で不動産は「昨日買ったものを明日売却する」といった短期間で利益を確定させるような商品ではありません。

 

不動産投資による利益には2種類あります。一つは月々の家賃収入であるインカムゲイン、もう一つは値上がり時に売却することで得られるキャピタルゲインです。

 

前者は、物件を所有する期間が長ければ長いほど、確実に収入が積み上がっていきます。後者も、株価のように売値が刻一刻と変化するものではないので、やはり長期的視点が必要になります。したがって、毎日値動きを気にしてソワソワする心配はありません。

 

医師がお金を貯めるワザ
医師がお金を貯めるワザ

「孤独死の遺体が見つかった」…トラブルへの対処法は

理由② 本業で時間がなくても、管理会社に業務を委託できる

 

手間がかからないという意味では、不動産は管理を専門家に外注できるということも大きいでしょう。一口に管理業務といってもその内容は多岐にわたっています。

 

●入居者の募集

広告作成、チラシやサイトへの出稿、周辺不動産会社への情報提供、物件の案内

 

●契約業務

入居者審査、契約内容の説明、契約金の受領、鍵の引渡し

 

●入居者管理

入居立ち会い、家賃集金、家賃滞納者への督促、クレーム処理、モラルのない入居者への対応、設備の故障・修理への対応、近隣への対応、緊急時の対応、鍵の保管

 

●清掃・除草

外構・外装・敷地内の清掃、除草、植栽のメンテナンス

 

●建物・設備のメンテナンス

定期点検、補修、専門業者への手配

 

●契約更新・改定業務

契約更新手続き、賃貸条件の改定

 

●解約業務

退去までの注意事項説明、敷金の精算、退去立ち会い、鍵の回収、精算書の作成

 

●リフォーム

リフォーム計画の立案、工事の手配、工事立ち会い

 

●収支表の作成

毎月・毎年の収支表の作成

 

これらをすべて医師であるオーナーが行うには無理があります。まして「クセの悪い入居者をどうにかしてくれ」「孤独死の遺体が見つかった」といったイレギュラーなトラブルに見舞われれば素人にはお手上げです。そのため、このような煩雑な不動産管理業務は、プロの不動産管理会社に依頼するのが最善策です。

 

管理を依頼するということは、当然、手数料が発生します。家賃という安定収入を目指す不動産運用にとって、できるだけ出費は避けたいところですが、一般的な管理手数料は家賃の5%から7%程度です。仮に20戸の中古マンション一棟を所有していた場合、家賃の平均が月額7万円とすれば毎月の収入は140万円になります。

 

一方の管理手数料は約7万円です。もし前述の管理業務をすべて自分で行うことになったとして、月額7万円の報酬で請け負うでしょうか。おそらくそのような割に合わない仕事をするドクターはいないでしょう。ですから、管理業務の委託は費用対効果の高い出費だといえます。

 

また、一般的に管理業務と聞くと建物まわりの清掃など、日々のメンテナンスを思い浮かべる人が多いようですが、実はもっとも重要なのは、できるだけ空室を出さないための活動、そして出た場合の入居者募集活動です。

 

賃貸物件は一度空室が出てしまうと、新たな入居者を見つけるのに多大な労力とコストがかかります。管理会社としても空室分の手数料が入らないのは損失なので、一生懸命空室を出さないための活動や募集を行います。

 

一方で、広告などのコストはオーナーの負担になります。つまりオーナーと管理会社は持ちつ持たれつ、WIN-WINの関係なのです。

 

「一括借り上げ契約」「サブリース」何が違う?

理由③ 地方在住でも「一括借り上げ契約」「大都市の物件」で空室リスクを軽減

 

不動産運用において一番怖いのは空室です。いくら相場より安くお買い得な物件でも、いくら利回りが高くても空室が多ければ意味がありません。この空室に対するリスクヘッジに一括借り上げ契約があります。

 

一括借り上げとサブリースを混同している人がいますが、前者は空室の有無にかかわらず不動産会社がオーナーから一棟丸ごと一定期間借り上げる方法で、後者はその物件を又貸し(転借)することです。一括借り上げの契約を締結すれば、たとえ空室が出たとしても毎月定額の家賃収入が見込めるので、オーナーとしては安心です。

 

もちろんこの契約は無料ではありません。一括借り上げの手数料の相場は、家賃の10%から20%前後といったところです。しかし、これで空室(=賃貸収入ゼロ)の恐怖から逃れられるなら安いものではないでしょうか。

 

ただし、すべての一括借り上げ契約がオーナーのメリットになるかと言えば、そうとも言えません。一括借り上げを行う会社は、主に収益物件を建てる建設会社か不動産管理会社になりますが、いずれの会社にしても自社の利益がなければ契約の締結は見込めません。そのため、手数料の割合や契約期間がケース・バイ・ケースとなることがほとんどです。

 

たとえば、立地条件が悪かったり築年数が古かったりする物件は、満室を維持するのが難しいため手数料が高めに設定されます。また、契約期間の相場は2年程度ですが、このような物件では1年ごとと短くなり、さらに契約更新の条件として手数料の増加や指定業者による修復工事を求められるケースもあります。

 

このように、条件によっては大きな費用がかかり、一括借り上げの恩恵が十分に得られないことが考えられます。ところが、あまり立地条件の良くない地域の地主などは「土地を遊ばせて固定資産税を支払うくらいなら、たとえそれでも……」と考えてしまい、このような厳しい条件でも契約を結ぶようです。

 

 

●一括借り上げを選択する基準

 

一括借り上げを行う業者は、管理会社も兼務しているのが一般的です。管理会社と同様に業者はいくらでも選べます。選択する際の目のつけどころは、「今回一括借り上げしてもらうことで目標とする金額にどうつながるか」と「どのように開業への足掛かりになるのか」を明確に説明できるかどうかです。

 

「割のいい手数料をもらえれば、管理はある程度いい加減でいい」と思っているようなやる気のない業者は論外ですが、物件を満室にすることを前提に手数料を設定し、「あなたが儲かったうえで私たちも儲けさせていただきます」というスタンスの業者を選ばなければいけません。正確な収支表の作成や定期的な状況報告は当たり前です。そのうえで「この部分をこのようにリノベーションすれば○をターゲットにしたクリニックができますよ」といった医師オーナー向けの提案ができることが望ましいでしょう。

 

まじめに一括借り上げに取り組む業者は、契約する物件選びにも真剣です。駅からの所要時間、周辺の商業施設、建物自体の価値など、プロだからこその選択眼によって判断し、契約を締結するか否かを決定します。つまり、そういった会社が一括借り上げを決めた物件は、それだけで魅力があるというお墨付きを得たも同然です。

 

相手が信頼できる会社と判断できれば、一括借り上げ契約を締結したほうが手間も掛からず、安心できる不動産運用になります。

 

また、一括借り上げ契約を利用するメリットは、手間や空室リスクの軽減だけではありません。この契約によって所有する物件の地域を全国、または海外にまで広げることが可能になるのです。

 

●初心者は大都市を選べばまず安心

 

不動産投資をはじめるなら、地域は首都圏、大阪、名古屋、福岡など大都市に絞り込むのが得策です。日本はこれから人口減の時代に突入していますが、これらの地域であれば、リスクを軽減できます。たとえば、東京とニューヨークの人口推移を比較してみましょう。ニューヨーク市域の面積は、東京23区の約2倍です。2000年の人口は、どちらも800万人強という近い数字でしたが、2010年には東京のほうが60万人以上多くなっています。人口増加率はニューヨーク2.1%に対して、東京は9.0%です[図表]。

 

日本bは国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」による統計局のデータをもとに作成
[図表]人口上位20か国の推移 日本bは国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」による統計局のデータをもとに作成

 

自分の目が届く地域の物件でないと心配だという人は多いのですが、しっかりした管理会社と一括借り上げ契約を結べば全く問題ありません。実際に沖縄県に住むドクターは、大阪府にいくつもの不動産を所有して十分過ぎるくらいに収益を上げています。もちろん、空室の心配をすることもなく本業に打ち込んでいます。

 

情勢に対してアンテナを張り巡らせる必要はない

理由④ 分析・研究に時間をとられない

 

不動産運用の成功の鍵は、なんといっても立地条件と管理体制です。この2つが優れた物件を購入できれば、あとは管理会社に任せることで毎月の安定収入が確保できます。

 

不動産運用に対する専門的な知識はほとんど必要ありません。株やFXのように経済や世界の情勢などに対して常にアンテナを張り巡らせる必要はないのです。日々忙しいドクターにとっては、本当に相性の良い投資といえるでしょう。

年収1500万円の勤務医が実際に不動産投資をすると?

理由⑤ 高所得者ほど大きい節税効果

 

高額納税者にとって不動産運用による節税効果は非常に大きなメリットです。不動産から得た収入は、勤務医としての給与所得と合算する「損益通算」をして確定申告することができます。

 

これだけ聞くと特別なこととは思えないかもしれませんが、株やFXで得た不労所得は損益通算の対象にはなりません。これが、株やFXの値上がり益にかかる税率が一律約20%という部分です。

 

給与と合算できるのは事業所得だけであり、ここが株やFXと不動産運用の決定的な差です。事業所得は、家賃などで得た収入から減価償却費や金利といった費用を事業損失として差し引いて計上することができます。減価償却とは、事業を行うにあたって必要な建物や高額な設備などの購入費を、一度に経費計上しないで何年かに分けるという考え方です。

 

建物などは大変高額なので、たとえば法人の場合は一度で経費計上してしまうと、その年の決算が大赤字になる可能性があります。また、このような建物や高額な設備は1年限りの消耗品ではなく数年にわたって使用できるものなので、使う年数に応じて小分けに計上するのが合理的ともいえるでしょう。

 

国ではそれぞれの物品に耐用年数を定めています。不動産運用を行えば、必要不可欠な建物やOA機器などの減価償却費を、勤務医としての収入から差し引いて確定申告できるのです。

 

ここで高額納税者にとってなぜ損益通算できる不動産運用が向いているかを具体例で説明しましょう。

 

たとえば勤務医としての給与所得が年間1500万円だった場合、税率は所得税と住民税で43%、納税額は645万円(分かりやすくするために各控除は考慮しません)になります。

 

ここで1億円の物件(自己資金1000万円、銀行からの融資9000万円)を購入すると、減価償却費や金利、登記代、火災保険料、リフォーム代などが経費として認められ、減価償却費が約450万円、金利が約150万円、その他を合計すると約1200万円が経費として計上できるわけです。

 

ただし、この物件は家賃収入が年間約1000万円ありますので、差額の200万円が損益通算できます。すると、給与所得1500万円から不動産運用損の200万円を引いた1300万円が課税対象となり、559万円(1300万円×43%)が納税額となります。物件を持たないときの納税額が645万円ですから、不動産運用することで86万円の節税が実現しました。

 

このように不動産運用は、高額納税者になればなるほど節税効果が期待できます。

 

 

●押さえておきたい「減価償却費」

 

ここで「200万円の不動産運用損に対して、節税効果が86万円では、114万円のマイナスではないか」と気づいた人も多いでしょう。

 

しかし、運用損には「減価償却費450万円」が含まれていることに注目してください。この減価償却費450万円というのは、損益通算上マイナスとして計上していますが、実際に皆さんの手元にある現金等のキャッシュが減るわけではありません。

 

つまり1200万円の経費には、毎年払うことのない建物の減価償却費が半分近くを占めているので、実際には現金が手元に残ります。そのうえで給与所得と損益通算できることで節税効果もあるのです。

 

もちろん不動産運用は黒字経営が大前提です。この前提がなければやる意味がありません。一方で不動産運用をはじめてから1〜2年は、リフォーム代など様々な諸経費がかかるため、マイナス決算になることは想定しておくべきです。

 

不動産運用では、この期間を過ぎてからの黒字化を目標とします。黒字になれば、当然給与所得と合算しての節税はできなくなります。

 

したがって不動産運用にとって、節税効果はあくまでも初期の付加価値と考えてください。長期的には、家賃収入によるインカムゲインによって資産を増やしていくことが第一となります。

 

医師が「資産10億円」を達成する仕組み

理由⑥ 高い信用力を活かし、資産10億円への道筋が具体的に描ける

 

不動産運用はほかの投資方法に比べ、シンプルかつ安定したスキームで資産10億円を実現できます。その流れを非常に簡単に説明すると以下のようになります。

 

(ステップ1)医師ならではの信用力で融資を利用して物件を購入

 

現在、日本の一般的な物件価格は、ワンルームマンションなど安価な物でも2000万~3000万円、一棟買いなら数億円に上ります。いくら高所得な医師でも現金で買える人はあまりいないでしょう。しかし、信用度の高い医師ならば比較的スムーズに融資を受けることが可能なので、資金調達に困ることはありません。

 

(ステップ2)毎月安定した家賃収入が得られる

 

不動産運用の最大の魅力は、いったん入居者が決まると継続して家賃収入が得られることです。これによって計画的、安定的なローン返済が可能です。つまり自身の給与や貯蓄から出費することなく物件を入手することができるのです。

 

(ステップ3)運用実績を活かして複数の物件を所有する

 

最初の不動産運用が軌道に乗れば、銀行はさらなる融資をする可能性が高まります。この機会に複数の物件を所有します。もちろん返済は家賃からなので自分の懐は痛みません。つまり単純に考えれば、2億円の物件を5棟所有すれば、資産10億円が達成できるということです。

 

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本記事は、2016年4月27日に幻冬舎メディアコンサルティングより発行された大山一也・西川晃司著『資産家ドクター、貧困ドクター 不動産運用の成功者と金融のプロが教える医師のための錬金術』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・編集したものです。本記事の内容によって生じた損害について、当社は一切の責任を負わないものとします。

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