Dさん自身も住宅ローンや子どもの教育費を抱えており、仕送りだけでも大変です。自治体の生活相談窓口に相談したところ、「国にはもう財源がないから」と担当職員から在宅介護を勧められました。
Dさんは、両親を離婚させて2世帯に分け、1世帯あたりの年収を抑えて住民税を非課税にすることで再び補足給付を受けるしかないか――と思い悩んでいるそうです。
Dさんの姿は、日本の多くの中流家庭にとって、他人事ではありません。低所得層へのさまざまな救済策が講じられる一方で、財源確保のために、支払い能力のある人々への負担を重くしていこうというのが国の考えだからです。