子どもは本来、学ぶことが大好きです。好奇心旺盛な幼児期に、適切な教育を受けさせることが重要となります。本連載では、25年前から幼児教育に取り組んでいる株式会社コペル・代表取締役の大坪信之氏が、子どもに「学ぶことの楽しさ」を教える方法を解説します。本記事では、子どもに「人のためになる行動」の大切さを教える意味について見ていきます。

相手の幸せを思えると、自らの幸福にも成果につながる

日々、人はいろんなことを考えていますが、何かを思った瞬間に、それにあったホルモンが放出されています。


ホルモンというのは、とても強大な力を持っていますので、どのような思いで日々過ごしていくのかということはとても重要です。


たとえば、誰かに対して怒りや妬み、恐れ、不安といったネガティブな感情を持つと、「ストレス物質」であるコルチゾールという物質が分泌され、記憶の重要回路である「海馬」が委縮して記憶しづらくなってしまうそうです。つまり、ネガティブな思いは、自分自身に悪影響を及ぼしてしまうというわけなのです。


逆に、ポジティブな思いでは、ベータエンドルフィンやドーパミン、オキシトシンなど「脳内快感物質」と呼ばれる物質が分泌されます。それらにより、多幸感や快感をもたらし、身体の免疫力を高めると同時に、脳を活性化させ記憶力が高まり、集中力も増していきます。


同じポジティブに見える思いでも、「ライバルに勝ちたい」というような攻撃的な思いには「怒りのホルモン」である、アドレナリンなどがでてしまいますが、「ライバルと共に成長していきたい」という、相手の幸せを思えるときは、自らの幸福にも成果にもつながっていく考え方です。


未来に対する夢や志をしっかり持ち、人間が未来をいきいきと思い描くとき、ポジティブな気持ちが生まれ、海馬の活動が活発になり、記憶力も高まるということです。

 

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また、大事な人に幸せになってほしいと、自分のためでなく、誰かのためを思うことは、自分の脳にもよい影響を及ぼします。


したがって、心の底から人々の幸福を願っての利他的行動は、誰にほめられなくとも、幸福感や健康が得られるというわけなのです。

 

利他的行動が「持続的な幸福感」に結びつく
利他的行動が「持続的な幸福感」に結びつく

利他的行動が「持続的な幸福感」に結びつく

見返りを求めない、世のため人のためになるような利他的行動こそ、最も大きく、持続的な幸福感に結びついています。


ところが、同じ刺激の繰り返しは「慣れ」になり、分泌量は減っていきます。波風の立たない日々の連続では、脳にとっては何の感動もなく衰えてしまうということなのです。本来、脳は何らかの目標を達成することで、大きな喜びを感じるという性質があります。困難な目標を達成したときほど、大きな喜びを感じますよね。

 

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平穏無事な人生よりも、小さな目標を達成し続ける人生のほうが、それを乗り越えるたびに深い幸福感を感じることができます。脳にとっての幸せとは、静的・安定的・固定的なものではなく、「変化のダイナミズム」のなかにあるのですね。


子ども達の幸せのために、“世のため人のためになる”ことの大切さを教えましょう。

 

 

大坪 信之

株式会社コペル 代表取締役

 

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    本連載は、株式会社コペルが運営するウェブサイト「コペル」の記事を転載・再編集したものです。最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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