子どもは本来、学ぶことが大好きです。好奇心旺盛な幼児期に、適切な教育を受けさせることが重要となります。本連載では、25年前から幼児教育に取り組んでいる株式会社コペル・代表取締役の大坪信之氏が、子どもに「学ぶことの楽しさ」を教える方法を解説します。本記事では、子どもが「宿題を教えて」と聞いてきたときの対応について見ていきます。

子どもの問題と親の問題を分けて考える

子育てをしていると、起床、着替え、勉強、片付け、将来の夢、就寝時間など、いろんな問題が出てきます。今回は、このような問題が出てきたときに、親としてどのように対応していくべきなのか、一緒に考えていきたいと思います。

 

◆それは子どもの問題か? 親の問題か?

 

先ほど並べた問題は、誰の問題なのでしょうか?

 

昔はみんなお母さんの責任と思われていました。「あいさつができない、忘れものが多い、片付けができない・・・親がちゃんと育てていないから」といわれてきたことばかりです。

 

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しかし、母親がいつも口を出していれば、子どもはやる気のある子に育つのでしょうか? そうではなく、やる気のない、依存心の強い子に育ってしまうでしょう。なかには、反抗的になる子もいるでしょう。

 

「やる気がない」「親の顔色を見る」「反抗的」と感じたら、親が子どもの問題に、口を出し過ぎていないか考えてみましょう。

 

そのような状況で、子どもの問題を親の問題と思っているお母さんは、子どもから目が離せず、とても忙しい思いをされていると思います。

子育てのゴールは、子どもの「自律であり自立」

もし、お母さんが病気になったら、子どもはどうなってしまうのでしょう?

 

今まで自分で問題を解決する経験がなかったお子さんは、自立するために苦労するでしょう。子育てのゴールは「自律であり自立」です。

 

そのゴールに向かうには、まずは子どもの問題と親の問題はわけて考える基本を、しっかりとおさえることが大切です。

 

子育てのゴールは「自律であり自立」
子育てのゴールは「自律であり自立」

 

◆子どものなかに必要な力があると信じる

 

子どもの問題は子どもの問題、親の問題は親の問題と分けて考えることを学びましたが、私たちは子どものすることに一切口を出さなくてもいいか、というとそうでもありません。

 

例えば、宿題。宿題は子どもの問題です。子どもが自分の問題で困っているときにおける、お母さんの二つの対応パターンをご紹介します。

 

①子どもの問題とはねつけるお母さんの場合

 

子ども「お母さん、教えて」

 

お母さん「それは、あなたの宿題でしょ。学校で習ったことはわかるでしょ。早くやらないとテレビは見せないよ」

 

②子どもの問題を解決してしまうお母さんの場合

 

子ども「お母さん、教えて」

 

お母さん「まず、教科書を読みましょうね。そして、例題を解いてみようね。それから問題を解いたら、丸つけをしますからね」

 

上記の対応は、どちらも望ましくありません。

 

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①の対応では、お母さんの助けを借りて、自分で問題を解決しようと努力する子どもを突き放してしまっています。

 

逆に②の対応では、お母さんが手取り足取りですべてを解決しようとしているため、子どもが自分で解決することができなくなってしまいます。

 

それでは、子どもが手助けを求めているときには、どのように対応すればよいのでしょうか。

 

◆しっかりと話を聴き、一緒に考える

 

子どもが自分の問題をお母さんに頼んできたときは、はねつけるわけでもなく、全部解決するわけでもなく、一度話を聴いてあげてください。

 

そうすることで、子どもの自律=自立を助けてあげることができます。忙しいときは、100%引き受けなくても、半分引き受けることもできるはずですね。

 

子どもの問題を子どもが頼んできたときは、ぜひ相談して決めてあげてください。子どもが「ねえねえ、お母さん、この宿題教えて」と頼んできたときは、子どもが手助けを求めているときなので、子どもとお母さんの2人の問題として考えてみましょう。

 

以下のような対応パターンを用意しておくといいでしょう。

 

パターンA:「はい、いいよ」と笑顔で引き受ける

 

パターンB:「お母さんと一つだけやってみて、あとは自分でやってみてくれる?」と、聞く

 

パターンC:「今日は、疲れているから無理だけど、明日の朝は大丈夫よ」と伝える

 

子どもの問題を子どもが頼んできたときは、相談して決めることが大事なのです。

 

子どもの問題は、子どもが自分で解決することが基本ですが、助けを必要とする問題もあるでしょう。そんなときは、2人の問題として、一緒に相談しながら解決をしていきましょう。

 

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    本連載は、株式会社コペルが運営するウェブサイト「コペル」の記事を転載・再編集したものです。最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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