海外不動産投資のなかで、メジャーな投資先といえるアメリカ不動産。実際に、アメリカ不動産を購入する投資家たちの目的とは何なのだろうか。本記事では、その目的の1つである「インカムゲイン」について見ていく。※アメリカ不動産投資 詳しくはコチラ

アメリカ不動産の「インカムゲイン」

アメリカ不動産投資の目的とは、「インカムゲイン+キャピタルゲイン+節税効果」の3本柱でキャッシュフローを最大化することと考えています。まず、1本目の柱であるインカムゲインの基本的な考え方から説明します。

 

アメリカ不動産を保有すると、現地の管理会社が客付けをします。現在では、ネットの賃貸情報サイトに情報を掲載して、それを見た入居希望者とやりとりをすることになります。

 

その際、オーナーは管理会社に一カ月分の仲介手数料を支払います。これまでの弊社の実績では、通常で一カ月、悪くても二カ月あればほぼ入居者が入っています。全米の空室率は約6%で、基本的に賃貸需要は旺盛なので、学区評価が高いエリアで、設備などがきちんとリフォーム、リノベーションされている物件であれば、長期間の空室が発生することは通常ありません。

 

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年間賃料(表面利回り)は、エリアによっても異なりますが、だいたい物件価格の6~7%に設定することが多いです。

 

その年間賃料から、

 

●固定資産税

●管理委託費

●火災保険料

●HOA会費(該当する場合)

 

などの経費を差し引いた、実際に手もとに残る家賃が、NOI(純営業収益)となります。

 

物件購入価格に対するNOIの比率が、Cap Rate(実質利回り)で、私たちの物件の実績では大体3.5%から4%になります。ただし、この想定は満室稼働が前提です。

 

仮に空室率を全米平均と同様に6%と見ると、NOIやCap Rateはその分程度下がることが想定されます(固定経費があるので厳密に比例して下がるわけではなく、物件ごとに差があります)。

毎年家賃を値上げできる「アメリカ不動産」

ただし、アメリカ不動産のインカムゲインには、日本とは決定的に異なるところが1点あります。

 

それは、当面は「家賃を毎年値上げできる=利回りが毎年上がっていく」蓋然性が高い、という点です。日本の不動産投資しか経験がない人にこれをお話しすると、たいてい驚かれます。

 

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アメリカでの賃貸不動産の契約期間は、基本的に1年で、その後、必要に応じて毎年契約更新をします。その際に家賃を値上げすることが普通なのです。アメリカでの実質GDPは年率2%程度の上昇で推移しています。

 

毎年の契約更新時に家賃を値上げするのが一般的
毎年の契約更新時に家賃を値上げするのが一般的

 

それに応じて、2000年~2017年の平均インフレ率は、約2.2%です。物価全体が毎年2%程度上がっているので、家賃もそれに合わせて値上げしているのだと考えれば、なんら不思議なことではありません。しかし、「築年数を経るに従って、家賃は下がるもの。現状維持ができれば御の字」という日本の不動産オーナーの常識からすると、毎年家賃を値上げできて家賃収入が増えていくのがアメリカ不動産の常識だと知ると、かなり驚かれるのではないでしょうか。

 

ちなみに、これまで私たちで販売し管理している住宅については、基本的に、同じ入居者が契約更新する場合は、更新ごとに25ドルの月家賃を値上げする(年間300ドルの値上げ)方針になっています。若干抑え気味の金額ですが、入居者と直に接している現地の管理会社の意見を採り入れながら決めたもので、家賃値上げによるオーナー様の利益と、退去防止との兼ね合いを考えた額として設定しています。

 

なお、これは継続して入居していただく場合の話です。もし、入居者退去となって新規の入居者を募集する場合は、そのときの周辺相場との兼ね合いで賃料を再設定することになり、以前より100ドル程度アップした賃料設定となることもあります。

 

 

高山 吏司
株式会社オープンハウス ウェルス・マネジメント事業部 部長代理
 

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本連載は、2019年3月13日刊行の書籍『日本人が絶対に知らない アメリカ不動産投資の話』から抜粋したものです。最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

日本人が絶対に知らない アメリカ不動産投資の話

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高山 吏司
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