「節税」や「不労所得」を謳い文句に、多くの不動産営業マンが、サラリーマンにマンション購入を促しています。しかし、不安を煽られ、言われるがまま物件を購入した結果、利益どころか赤字になってしまう例が後を絶ちません。そこで本記事では、収益不動産を通じ、購入から運用・売却まで一貫した資産形成をサポートしている大和財託株式会社の代表・藤原正明氏が、実際にあった不動産投資の失敗例を解説します。

成功する人がいる一方、失敗する人もいる

資産運用の手段として不動産投資は株式やFXに比べてローリスクだといわれています。確かに不動産投資によって、経済的自立を成し得てアーリーリタイアを実現した人、本業以外にもう一つの収入源を確立した人などの成功者は少なからずいます。

 

しかし一方で、失敗により人生が狂ってしまった人も多数いるという現実を知っておかなければなりません。いくら不動産投資がローリスクとはいえ、それはきちんとした投資判断がなされた物件を購入した場合の話であり、間違った購入の仕方をすればそれはハイリスクに豹変するわけです。

 

ローリスクという言葉に惑わされ、安易にはじめてしまう初心者の方ほど失敗するといってもいいでしょう。いくつか実際にあった失敗例を紹介します。

失敗例1:新築区分ワンルームマンションを購入

Aさん 40歳 会社員(メーカー勤務) 独身 京都府在住

 

Aさんは京都府内の大手メーカーに勤めるサラリーマンです。同僚の勧めで、6年前から不動産投資をはじめました。

 

Aさんの同僚はすでに首都圏に3室の新築区分マンションを保有しており、節税ができることや不労所得を得ていること、ローンが終われば資産として手元に残り、将来の年金代わりになる、などのメリットをAさんに話していました。

 

何か安定的な資産運用ができないかと考えていたAさんは、同僚の話を聞いてすぐに乗り気になり、しばらくして同僚から不動産販売会社の営業マンを紹介されたそうです。

 

「自己資金をほとんど使わず、月々わずかの費用負担で投資ができます。さらに部屋は売主である不動産会社が借り上げて家賃保証するので、毎月安定的に家賃が入ってきますので安心です」との説明を受けたAさんは、新築区分マンションを購入することにしました。

 

実際に購入してみると、毎月1万円近く手出しが発生する状態でしたが、その営業マンからは「今から毎月少しずつ負担することで将来の年金を確保できますし、確定申告すれば所得税・住民税の一部が戻ってきますので安心してください」と説明を受けていました。1年目は不動産所得が赤字となりましたが、給与所得との損益通算で税金還付がありました。

 

その後、すぐに追加で1室購入することになったのですが、1室目の購入から3年が経過したころ、ある事件が起きました。

 

家賃保証の契約を更新するにあたり、不動産会社から賃料相場の下落に伴い、保証家賃の金額を10%下げてほしいと連絡が入ったのです。それを聞いたAさんは困惑しましたが、「もし条件に納得がいかなければ契約を終了してもよい」といわれ、しぶしぶその条件で契約更新することにしました。もう1室についても同様に保証家賃減額の話が入り、すべて承諾することにしたそうです。

 

さらに、同時期に今度はマンション全体の管理費・修繕積立金の値上げの話も出てきました。当初から保証家賃からローンの返済費・管理費・修繕積立金を引くと、1室あたり毎月1万円程度の手出しがありましたが、これらの条件をのんだ結果、今ではトータル4万円となっています。

 

大手企業に勤務しているAさんは何とか支払いを続けられていますが、これ以上物件を保有してもメリットはないと考え、現在は2室とも売りに出しています。しかし、売値はローンの残債よりも低い査定しか付かず、足りない部分は貯金から一括返済しなければいけない状況で、売るに売れない状態です。最初に購入した物件の2回目の家賃保証の更新時期を迎えるAさんは、早く物件の買い手が現れるのを待ち望んでいます。

 

不動産営業マンの謳い文句に乗せられ…

不動産営業マンの謳い文句に乗せられ…
 
 

[PR]4月18日(土)無料セミナー開催@幻冬舎
【本記事著者の藤原氏が教える『2020年税金対策の最新版』】
「節税×キャッシュフロー最大化」を実現する築古1棟アパート投資戦略

失敗例2:広告を真に受け中古区分マンションを購入

Bさん 45歳 地方公務員 既婚(奥様、お子様2人) 大阪市在住

 

Bさんには大学進学を控えるお子様が二人います。住宅ローン(借入3,500万円)を抱え、ただでさえお金にゆとりがあると感じていないなかで、教育費の負担が重くのしかかることに頭を抱えていました。収入を増やすために副業をやろうにも、公務員という立場もあり、諦めていました。

 

そんななか、ネットサーフィンをしていたところ不動産投資を勧める記事を見る機会がありました。「年収300万円から年収2,000万円へ。経済的安定を手に入れました!」という、成功体験を交えた広告を見て、Bさんも自分でもできるかなと考えるようになり、不動産会社が主催するセミナーに参加することにしました。

 

セミナーでは、不動産投資は立地で決まるということが強調され、さらに利回りを求めるなら中古の区分マンションがよいという趣旨の内容でした。また、中古区分なら投資金額も1棟物件に比べ少額で済むのでリスクが小さいというのもセールスポイントでした。

 

セミナー終了後には個別の相談会がセットで用意され、そこでBさんは大阪市内で金額1,500万円の中古区分マンションの提案を受けます。営業マンからは「投資の鉄則は、小さくはじめて大きく育てるのです。まずは中古区分マンションからはじめて、経験を積んでから規模を大きくしたいなら1棟物件に移行したらいいですよ」と教えられ、まずは1戸を購入することにしました。

 

家賃が口座に入ってきたときには不動産オーナーになった実感がわき、うれしく感じたそうです。その後、その不動産会社から追加の物件紹介があり同規模の物件を2戸追加で購入しました。総投資額は4,500万円を超え、購入資金は全額融資を受けました(フルローン)。

 

家賃収入から借入返済、管理費・修繕積立金・賃貸管理会社に支払う手数料を引くと、3戸合わせて月々2万円台となりました。固定資産税・都市計画税は年4回の支払いがあるため、通年では20万円弱の手残りとなります(所得税・住民税控除前)。

 

Bさんとしては、これでは今後の教育費の足しにもできないと感じ、再度の購入を試みますが、その不動産会社からは、「融資の枠がいっぱいとなり追加の購入はもうできません」と伝えられました。当初の話では、賃貸経営の実績を積めば1棟物件を購入できると聞いていたので話が違うと感じました。

 

他の不動産会社数社にも回りましたが、そこでの回答は高金利の某地方銀行の融資を利用すれば追加で1億円程度は購入できますよと、物件を紹介されましたが、4%以上の金利に対し物件の利回りが低く、投資に踏み切ることができませんでした。

 

そして、追加の投資ができないなかで、購入していた区分マンション2戸で退去が立て続けに発生しました。3カ月以内にすべて入居が決まりましたが、その間は毎月10万円以上の手出しがあり、不安で寝られなかったそうです。Bさんは今でもまた空室が出ることに不安を抱きながら、追加の投資もできない状態が続いています。

 

関連記事

 

 

[PR]4月18日(土)無料セミナー開催@幻冬舎
【本記事著者の藤原氏が教える『2020年税金対策の最新版』】
「節税×キャッシュフロー最大化」を実現する築古1棟アパート投資戦略

改訂版 はじめての不動産投資成功の法則

改訂版 はじめての不動産投資成功の法則

藤原 正明

幻冬舎メディアコンサルティング

多くの投資家を成功へと導いた不動産投資の教科書がリニューアルして登場! 東京五輪による地価上昇で人気に火がつき、なおも注目を集める不動産投資。しかし、実際に投資をはじめようとしても、はじめての人には分からない…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録