信頼関係が一番大事…大神麗子氏が語る「あいみつ」の取り方

全国民泊同業組合連合会 理事・大神麗子氏の著書、『民泊2.0~事業と投資のハザマだからオイシイ』(みらいパブリッシング)から一部を抜粋し、民泊運営のポイントについて見ていきます。

相見積もりは「同条件で、具体的に」

民泊運営において業者を選ぶ際には、相見積もりをすることをおすすめします。

 

1社だけでは判断材料に乏しく、それが適正価格なのかわからないため、複数の業者から見積もりをとることを意味し、「あいみつ」と呼ばれます。

 

例えば内装工事をするとして、高い業者も安い業者も色々あると思いますが、いくつかの業者に見積もりを依頼して納得できるところで選びましょう。ただ、やりすぎると選ぶのも大変ですので、3社くらいがいいのではないかと思います。

 

個人的には、あまり安さの観点で選んでいません。投資物件を完成させるためのパートナーですので、ただ安いだけで適当だったり、知識がなかったりすれば、結果としてデメリットが多くなります。それよりも、経験豊富で信用できる業者に依頼したいところです。

 

そして、あいみつをする際に重要なことは「同じ条件」で提示することです。同じデザインでも使う材料のグレードが違えば費用が異なるのは当たり前ですので、同条件で具体的に依頼してください。

 

見積もりをもらったら、そこに何が含まれているのか確認することを忘れないようにしましょう。単に安く見せかけてあっても、後から色々と追加費用で頼まなければいけなくなれば元も子もありません。いくつかの業者に見積もった場合も、会社によって含まれているサービス内容が異なりますので確認しましょう。

 

大前提としては、相手の時間を大事にしましょう。業者も、現地の下見をしたり、見積もりを作るにも時間や労力がかかります。正式に依頼するわけではなくあいみつである場合は、先にそのことを言っておいた方がいいでしょう。

 

・納期を確認すること

 

業者に業務を委託する際は納期を確認しましょう。

 

先ほどの工事価格の話とも関係しますが、民泊は開業しないことには始まりません。工事費用が安いからといって時間がかかってしまっては、逆に機会損失になってしまいます。工事費は少々高くても、完成が早い業者の方が、早く施設をオープンして宿泊費で稼げるため、結果としてプラスになることもよくあります。

運用代行業者への手数料は「売上げの15%〜20%」

・費用の相場

 

民泊に関わる業者について、費用の相場をよく聞かれるのでお伝えします。もちろん業者によってまちまちなので、あくまでも平均的な価格です。

 

『行政書士』

許可申請にあたる行政書士への報酬は、旅館業申請の場合35万円くらい、特区民泊や民泊新法の申請は25万円くらいが相場です。その士業によってバラバラですが、概ねこれくらいだと思います。

 

『不動産屋』

不動産屋での契約にあたって、賃貸の仲介手数料は上限が賃料の1ヶ月分まで、購入であれば物件価格の3%+6万円が仲介手数料です。

 

『運用代行業者』

運用代行業者への手数料は、売上げの15%〜20%が相場です。毎月の売上げに対して運用手数料を支払います。基本的に利益に対してではなく、売上げに対してというところが多いです。たくさんの物件をまとめて委託した場合、スケールメリットで手数料を下げてもらえたりすることもあると思います。

 

ただし、この「代行手数料」に関しては、目先の数字にとらわれないことをおすすめします。確かに手数料が安い業者もあるのですが、そもそも論で、高い売上げを上げてもらわなくては意味がありません。

 

例えば、手数料20%の業者Aと、手数料10%の業者Bがあり、同じ物件を預けたとします。

 

Aの業者が優秀で、1物件あたりの月売上げが60万円とすると、手数料は12万円で、差し引くと48万円が残ります。一方、Bの業者は見かけの手数料は安いものの運用能力が低く、1物件あたりの月売上げが30万円だったとします。すると、手数料は3万円で、残りが27万円です。結果として、あなたの利益は手数料20%のAに頼んだ方が、毎月21万円多いということになります。

 

選定基準として、業者にマンパワーがあるかどうかや、運用実績、スタッフが経験豊富か、24時間対応しているのかなどをヒアリングするのがいいでしょう。

 

注意点として、素人の方に多いのが、自分の物件の情報を複数の業者に渡してシミュレーションを依頼し、シミュレーションが高かった業者で選ぶというやり方です。実力の品定めをするつもりであっても、数字だけならいくらにでも書けますから、これでは実際のところあまり意味がありません。

 

似たイメージで言えば、家を売却したい時に複数の不動産屋に査定を出して、査定が高い業者にお願いしたいというような心理でしょう。しかし、その価格で売る保証までしてくれるというわけではありません。紙ペラ一枚で選ぶのではなく、その会社の実績や実態を見て選ぶのがいいと思います。

 

『清掃業者』

清掃業者は、「1回あたりいくら」でやっているところが多いです。月単位で支払いをしますので、頼んだ回数分の請求です。

 

1ルームであれば1回5000円くらい、100㎡くらいの広い物件であれば1回1万円くらいが相場です。平米数によって代金を決めている業者が多いです。この清掃費に関しては宿泊ゲストから徴収できるものなので、オーナーが自腹で払うわけではありません。

業者への「値叩き」は長期的に見て得ではない

・価格交渉には注意

 

値段を叩くということは、つまりは相手の利益を薄くするということと同じです。

 

場合によって、値叩きに応じてくれるところもあるかもしれませんが、相手にとっては気持ちの良いものではないので、次回以降はそのような人とは取引きしたくないでしょう。値叩きで安くなったことによって儲けものだと思うのは消費者的な発想であり、長期的に見れば実は逆だったりします。

 

業者との関係は、専門知識を教えてもらったり、手助けしてもらいながら、民泊物件完成まで協力していく大切なパートナーです。気持ちの良い取引きができない人にはいつまでたっても協力者がいないので、次回に取り組む際も、毎度毎度ゼロの状態でメンバー探しからやらなければなりません。1件だけやるのであればいいのかもしれませんが、2件、3件と拡大していきたいのであれば、成功から遠のくでしょう。

 

何事もそうですが、やはり信頼関係が一番大事です。

 

大神麗子氏
大神麗子氏

 

 

大神麗子

全国民泊同業組合連合会・理事

 

楽待コラムニスト
全国民泊同業組合連合会理事 

宿泊業と不動産投資を掛け合わせた形でビジネスを行い、5年目に至る。学生の頃に自習用のレンタルデスクを借りたことがきっかけで、空間貸しビジネスの可能性に目覚める。就職活動において10社以上の東証一部上場企業から内定を得た後、総合職の営業として勤務し、2014年に独立。楽待コラムニストとして投資の執筆、不動産投資家やサラリーマンに向けた民泊投資アカデミーを主催、民泊の意見表明に関して国に認められた唯一の折衝機関である全国民泊同業組合連合会の理事を務める。SNS上では、多数のフォロワーに向けて自身の投資手法や考え方を公開し、反響を得ている。民泊ビジネスの第一人者として、多数の取材やセミナー講演依頼を受け、その可能性を提唱している。著書に『買わない不動産投資 ドル箱 宿泊所』(みらいパブリッシング)。

著者紹介

連載物件、業者選び、運営管理、収益…ゼロから始める超実践的「民泊」入門

民泊2.0 事業と投資のハザマだからオイシイ

民泊2.0 事業と投資のハザマだからオイシイ

大神 麗子

みらいパブリッシング

「人生をもっと豊かに、充実した毎日を送りたい」 そう感じている人は多いはず。 「民泊」は、自分らしく楽しみながらできる仕事としても、 ゼロから始める人や副業でやる人にもぴったりのビジネスです。 さらに今、訪日…

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