今回は、リノベーションによって見込める収益性向上の効果について見ていきます。※本連載は、リズム株式会社アセットソリューション事業部長の寺内直哉氏の著書、『東京1Rマンションオーナー必読! リノベーション投資入門』(総合法令出版)の中から一部を抜粋し、不動産投資におけるリノベーションの基本的な考え方や、費用対効果について紹介します。

リノベーションによって物件の「稼ぐ力」が強化される

 資産形成の仕組み 

 

まずは、資産を形成するための仕組みを、もう一度おさらいしてみましょう。

 

不動産投資の魅力とは、「不動産」というコピーロボットに働いてもらい、本業とは別の時間軸を新たに増やすことで、お金(資産)が増える仕組みを作るところにありました(図表1)。

 

[図表1]不動産投資の仕組み
[図表1]不動産投資の仕組み

 

また、いったん稼働し始めれば、24時間365日休みなく働き続けてくれることも、不動産のストロングポイントです。

 

チャプター1(本書『リノベーション投資入門』参照)では、財務三表を活用することで、不動産から資産を形成する仕組みを細かく見てきました。キャッシュフローツリーから商売の儲けである「経常利益」を把握し、「物件の“稼ぐ力”をいかに最大化させるか」というポイントも重要です。

 

物件で稼いだ経常利益を資産に組み入れることで、バランスシート上の純資産が徐々に増えていきます。1つの物件だけを所有するのもいいですが、リスクの管理をしながら複数の物件を並行して走らせることで、将来的により多くの純資産を形成していくことが可能になります。

 

このサイクルにリノベーションを組み込めば、純資産の拡大サイクルはより強固になります。「コピーロボット」という時間軸をさらに鍛え上げ、物件の“稼ぐ力”をよりパワーアップした「スーパーコピーロボット」にするというイメージです。

 

 東京ワンルームマンションの特徴 

 

東京ワンルームマンションの特徴も、もう一度おさらいしておきましょう。

 

東京ワンルームマンションで一番特徴的と言えるのは、他のエリアに比べて賃貸の需給ギャップが需要側に大きく振れているため、平米あたりの家賃単価が格段に高いことです。家賃単価が高ければ、家賃における運営費の比率を低く抑えられるため、物件の“稼ぐ力”が強いと言えます。また、運営費は築年数の経過によって徐々に上がる傾向にあるため、上昇分を家賃でカバーできる余裕があるのも、東京ワンルームマンションの魅力と言えます。

 

そして、先ほど触れたように、物件の“稼ぐ力”をより強力に鍛え上げるのがリノベーションです。実例を使って解説してみましょう。

 

東京都品川区の荏原中延(えばらなかのぶ)駅から徒歩6分の場所にある築28年の5階建てマンション。物件はその2階にある約24平米のワンルームです。家賃は7万8000円、表面利回りは5.92%でした。この物件をリノベーションすることで、2万円アップの9万8000円という家賃が実現しています(図表2)。

 

[図表2]リノベーション実施例 収益性検証
[図表2]リノベーション実施例 収益性検証

 

リノベーションによる平米数の変更はないため、運営費はまったく上がっていません。つまり、リノベーションによって、物件の“稼ぐ力”が純粋にアップしたということになるのです。

リノベーションは高利回り物件を新規購入するのと同じ

 リノベーションを「新たな物件」にたとえると 

 

では、リノベーションの収益性について、中延の物件をもう少し掘り下げて見てみましょう。

 

先ほどの図表2の上段の図のように、もともとこの物件は、潜在総収入(年間家賃)が93万6000円、運営費が28万3000円、潜在総収入に対する運営費の比率は30.24%(28万3000円÷93万6000円×100)でした。この物件を410万円かけてリノベーションすることで、月額2万円、年間24万円の家賃アップを実現しています。

 

仮に、リノベーション単体を1つの「物件」に見立てた場合、「410万円の物件を購入し、24万円の年間家賃を得るようになった」と捉え直すことができます。ここに空室損(30日/3年)を考慮すれば、図表3の上段の計算式になります。

 

 [図表3]リノベーションを新たな物件に例えると

[図表3]リノベーションを新たな物件に例えると

 

ここでは、「410万円かけてリノベーションしたこと」を「410万円の物件を買ったこと」と見立てています。

 

仮に410万円の物件を買ったとすると、管理費などの運営費が当然発生します。しかし、410万円の物件を購入し、24万円の年間家賃を得た」という、この24万円はあくまで手取家賃であり、運営費が加味されていません

 

そこで、リノベーション前の物件と比較しやすいよう、最後の年間手取家賃は変えずに、リノベーション前と同じ運営費比率(30.24%)を当てはめて逆算してみると、結果は図表3の下段のようになります。

 

少しわかりにくいかもしれませんが、「リノベーションしたこと」を「物件を買ったこと」と見なして、本来支払うはずの運営費分をカウントすれば、もともとの潜在総収入は24万円から34万円以上になり、物件価格410万円に対しての表面利回りは8.39%(34万4000円÷410万円×100)になります。

 

つまり、持っている物件にリノベーションしたことは、「東京23区内」「表面利回り8.39%」の物件を「410万円」で買ったことと同じ意味になるのです。

 

さらに、後述する「減価償却」の節税効果や、空室期間が短縮するメリットを加味すると、この利回りはさらに高いものとなります。

 

 販売図面で見るリノベーションの優位性 

 

リノベーションを「新たな物件」にたとえて販売図面を作ると、図表4のようなイメージになります。

 

[図表4]リノベーションを「新たな物件」に例えた販売図面
[図表4]リノベーションを「新たな物件」に例えた販売図面

 

これは、先ほどの「運営費の加味」に加えて「減価償却費」「空室損の圧縮」を数値に換算した結果で、実に10.39%(3万5515円×12÷410万円×100)の表面利回りを叩き出しています。東京都の城南エリアにおける期待利回りは平均4.5%前後、価格は1500万~2000万円がメインです。東京で区分ワンルームマンションを検討したことがある方なら、表面利回りが10%を超える価格410万円のリノベーション物件が、いかに“お買い得”なのかをよく理解できると思います。

 

もちろん、不動産投資の教科書的に言うならば、表面利回りそのものは重視すべき指標ではなく、大切なのは実質利回りです。ここで「リノベーションしたことを、物件を買ったことに見立てて、表面利回りを算出した」のは、東京ワンルームマンションの購入とわかりやすく比較したかったからに過ぎません。

 

東京ワンルームのリノベーションには、2つの側面があります。

 

1つはたとえて言うならば、“守り”の側面です。空室に対する不安や家賃下落の解消、水回りのリスク対策など、マンション経営をさらに安全安心にすることができます。

 

もう1つが、この項で解説している“攻め”の側面です。「リノベーションする」という「投資」は、高い利回りを見込める物件を新たに購入するのと、同じ意味合いを持っています。

 

つまり、「物件を新たに購入すること」と「所有物件に新たにリノベーションすること」は、「自分の資産ポートフォリオに一定の利回りを見込んだ資産を組み込む」という意味合いで同じ土俵の上にあると言えるのです。

 

投資家は、東京ワンルームが表面利回り10%超で売りに出されていたら、ほぼ間違いなく購入し、自分の資産に組み込むでしょう。

 

そういう観点を持って、自分が所有している物件やこれから購入する物件を、リノベーションの可能性も含めて捉え直してみると、これまで気づかずにいた「新たな投資の機会」が見つかるかもしれません。

 

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