ホーチミンの大規模開発プロジェクト「VINCITY」の投資価値

前回は、ホーチミンの最新不動産市況を解説しました。今回は、大規模不動産開発プロジェクトの「VINCITY」について、その投資メリットを検証します。

完成すれば「人口20万都市」が出現!

前回は、ホーチミンの最新不動産市況を紹介しました。今回は、発売間近の大規模プロジェクト「VIN CITY」の投資物件としての購入メリットについて、具体的な数値を見ながら検証します。

 

「VIN CITY」については、『ベトナム人が注目する不動産プロジェクト「VINCITY」の概要』(2018年10月1日掲載)でも詳述していますが、改めてその概要を振り返ってみましょう。

 

開発会社:VINHOMES(ベトナムNo.1開発会社)

建築会社:Contecons(ベトナムNo.1ゼネコン)

開発総面積:365ha、4区分で分類

販売種類:コンドミニアム71棟(22階~25階)/ショップハウス(テナント)/タウンハウス(隣接)/Villa(別荘)

販売数:4万8200戸

竣工時期~引渡開始時期:2018年下半期~2021年下半期随時引渡開始(全ての戸数引渡まで7年)

販売単価:2500万VND~(約12.5万円~)/㎡(税、修繕費別)

施設:国際病院/国際学校/大学/商業施設(VINCOM CENTERショッピングセンター)/各種ショップ/レストラン/コンビニ、運動施設/プール/公園

 

注目すべきは、365haの巨大な開発面積と4万8200戸の販売個数です。単純計算ではありますが、大家族で暮らすベトナム人を想定すると人口20万の都市ができあがることになります。  

 

しかしながら、ベトナムにおける外国人の不動産購入には制限が設けられているという点を忘れてはなりません。外国人販売申請許可済みの開発事業で、外国人が購入できる戸数は、分譲マンション1棟につき最大30%、戸建て住宅は1街区につき最大250戸という制限があります。この条件を踏まえた上で、現地のベトナム人の評価を予想するとともに、投資メリットのある開発事業なのかどうかも検証してみましょう。

早急に結果を求めることなく「長期目線」で投資を

●検証1:立地

 

ホーチミン市中心地から東に位置し、ドンナイ省、ビンズー省との境目に位置する。都市鉄道METRO1号線、高速道路、新国際空港とインフラ整備が進んでおり、近隣にはホーチミン市最大のハイテク工業団地もある。ホーチミン市の中でも注目されている地域。

 

ホーチミン市9区に位置し、中心地1区から直線距離で15㎞、車で約30分。

 

5km内に都市鉄道METRO1号線スイテン公園駅、(テーマパーク)車で約10分、Vincityからのシャトルバスの運行も予定。

 

2.5km内にホーチミン最大のハイテク工業団地1、2、3が囲むように隣接しており、ベトナム最大のIT企業FPTのほか、Intel、Nidec、Samsungなど国内外の大手企業が入居している。「サイゴンシリコンシティー」としての計画も進められていて多くの外資企業が進出。

 

2025年開港予定のロンタイン国際空港向けの高速道路(完成済)も車で15分内。

 

[評価]

現時点では、インフラ整備はまだ30%程度しかできていない。周辺の道路整備、METRO1号線や高速道路への連結ルートも含め、3年~5年を要す見込み。よって、ホーチミン市に通勤する人には不便であり、駅の開通2020年以降までのインフラ整備次第だといえる。当面はハイテク工業団地及びドンナイ省、ビンズー省工業団地関連外国人、ベトナム人が入居者の主体になる見込み。

 

●検証2:開発会社

 

ベトナムでNo.1の不動産開発会社VINHOMESは、複合企業体VINGROUPの不動産開発部門。VINGROUPは、病院、学校、商業施設、農業、小売販売、国内唯一の自動車、バイクのメーカー等々ベトナム国内で市民生活に関する事業を行っている。ベトナム国内最大の事業グループで、国内における知名度もNo.1。

 

特に不動産開発には独創性があり、ベトナム人にとってステータスを感じられる作りになっている。販売戦略としても中心地区でハイエンドクラス向の住宅開発(CentralPark、Goldenriver)でブランドを築き、ミドル層向け住宅販売としては、立地場所を抑えてCentralParkと同仕様で、ミドル層にも手が届く価格体を含めた販売戦略を行っている。

 

[評価]

ベトナム人には不動産業界のNo1の企業ブランドとして定着している。すでに発売済みのCentralParkと同仕様、公園、商業施設、飲食店、学校、病院等も含めた生活空間作り、投資先としての安定度も含め、評価は非常に高い。

 

検証3:賃貸利回り、転売価格

 

ネックになるのは、4万8300戸の販売個数。建物工事開始から引渡まで2年を要し、随時引渡しを行いながら工事を進める。プロジェクトの着工から完全引渡まで7年を予定。周辺のプロジェクトも含め、過剰供給な印象は否めない。完全完成前の賃料利回りは物件により異なるが、コンドミニアムの場合は6%~9%と予測する。転売価格と同様に完成が近づくにつれて上昇。Central Parkでの事例では、完全引渡後、半年で40%~60%のUP率となっている。

 

[評価]

ベトナム人購入者が、住居目的か投資目的かによって変わる。実際の入居生活者が少なければ、賃貸、転売の価格上昇に時間がかかり、逆にベトナム人入居者が多ければ、施設内の商業施設、物販店、飲食店などの相乗効果も表れ比較的早く、住居価値が評価され、賃料、転売価格上昇が見込める。

 

●検証4:管理会社(出口戦略)

 

外国人投資家の場合は、この点が最も重要になる。VINCITYに関しては、引渡から3年~5年は入居する外国人テナントが限られており、ベトナム人テナントも賃貸対象にしなければ成り立たない。外国人テナントだけで長期の賃貸を埋められないことを考えると、管理会社はローカルにも強く、さらには入居後のベトナム人テナントに対する対応もしっかり取れる会社でなければならない。

 

[評価]

 

最も重要となるのは、管理会社の見極めだ。現地での実績や活動経験はもちろん、ベトナム人への対応力も有するなど、地域に密着した管理会社を選ぶことが必要となる。それプラス、できればガバナンスもしっかりしている、日本人在籍の管理会社がお勧め。そのような会社であれば、日本的な考えに基づいた対応が期待できるので、大きなストレスを感じなくてすむ。

 

<まとめ>

 

筆者は、ベトナム人向け物件は早急に完売すると予測します。特にタウンハウス含めた土地付き戸建てとショップハウス、低価格のコンドミニアムは、ベトナム人にとって投資も含めた魅力的な物件です。しかし外国人の場合、購入できる物件は限られており、選択肢が少ない点も踏まえて考えると、販売価格の安さから発売当初は転売目的の一次的な購入は増えると予測しますが、賃貸利回りを含め、早急な結果を求めるには不向きだと言えます。

 

ただし、今後のベトナム経済の発展、インフラ整備の充実、VINHOMEのブランド力も含め、大きく発展する地域となる可能性は非常に高いといえます。もし10年先を見据えた投資が可能であるならば、じっくりと現地を視察して現地の不動産市場を見据え、投資してみてはいかがかと考えます。

VINA COMPASS Co., Ltd. General Director

沖縄県宮古島生まれ。久留米工業大学を卒業後、トヨタグループ系列の株式会社アイチコーポレーション入社。特殊車両メーカーの営業部門で16年勤務。
2004年、商談で訪れたベトナムホーチミンに魅了され、独立起業、単身にて渡越。 2006年、取引先の製薬会社と合弁で排水処理会社を設立。
国営事業であるホーチミン市病院排水処理事業の入札業者として認証を受け、在籍中235ヶ所の病院排水処理を手掛ける。
2012年、合弁会社の株を売却。新たに浄排水処理会社としてSHINY VIETNAM社、不動産・建築会社としてSHINY REAL社を設立。
現地企業やベトナム政府事業の実績を活かし、越人コミュニティに入り、浄排水処理事業を手掛ける傍ら、日系大手への環境コンサル支援や、現地最大手の不動産デベロッパー、VINHOMESの日系唯一の販売代理店としてCentral Parkプロジェクトの販売を手掛けた。
2018年、SHINY社、合弁解消後、新たに独資でVINA COMPASS社を設立。不動産販売仲介、賃貸仲介、管理運営、内装工事、進出支援コンサル業を手掛ける。特に進出時の事業許可、会社設立時のリスクヘッジ関連を得意としている。

VINA COMPASS社ウェブサイト:http://www.vinacompass.com/

著者紹介

連載ASEAN諸国で最も熱いベトナム――現地から探る不動産投資と事業の可能性

 

 

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