ハワイ不動産の売却・・・買主候補からの「オファー」への対応

前回は、「MLS」に登録される物件情報の具体例を取り上げました。今回は、買い手からの「オファー」への対応について見ていきます。

一般的にはオファーを受けてから「交渉」がスタート

今回は、いよいよ売りに出している物件を購入したいという買主候補が現れた場面です。

 

売主側のエージェントは、売主から預かった売却物件をマーケットに出し、購入希望者が見つかるまで様々なマーケティング活動を行います。


買主側のエージェントが当該物件を自分の顧客へ提案し、興味を持ってくれたお客様に実際に物件を見てもらう機会を作ります。いわゆる物件の内見ですが、これをアメリカでは「Showing」と言います。


そのShowingのアレンジは、売主側と買主側のエージェント間で行うことになりますが、物件によっては、


1.売主側のエージェントが立ち会うケース
2.鍵の手配のみを行うケース
3.Lock Box等を使用して自由に見てもらうケース


があり、それぞれの物件の状況に応じてアレンジを行います。

 

上記のプロセスを経て、物件を気に入ってもらえると、次は買主側よりオファーが入ってきます。


※オファーについては、本連載第11回第18回で買主側の目線での詳細を掲載していますのでご確認下さい。

 

 

売主側エージェントは、買主側エージェントより受領したオファー書類を細かく確認し、そのオファー内容が売主の希望を満たす内容になっているか、何かリスクになりそうな条項がないかを事前にチェックし、売主へ報告をします。

 

まれに、100%売主側の希望通りの内容のオファーというものも存在しますが、基本的には買主は自分が購入する条件を良くするものです。売主にとっては満足がいかない内容であることが多いため、そこから交渉が始まります。

 

一般的に、交渉になるポイントとしては下記があげられます。


①売買価格(手付金・中間金・残金割合含む)
②引渡までの期間
③条項「J-1(室内点検)」の期日

価格等を再提示する「カウンターオファー」という手も

①売買価格(手付金・中間金・残金割合含む)


こちらは、売主の売却希望価格に対して満額オファーではなく、指値を入れてくるケースが多く、価格が折り合わない場合です。


例えば、100万ドルの売却希望価格に対して95万ドルで購入したいというケースですね。それで売主がOKであれば良いですが、承認できない場合はカウンターオファーというかたちで、価格の再提示を行います。例えば、98万ドルで再提示する等です。

 

②引渡までの期間


売買契約成立から引渡までの期間は、一般的には30日~40日程度になります。


不動産ですので、引渡が完了するまでは売買代金は売主には入ってきませんし、何らかの事情でキャンセルされてしまうリスクもありますので、売主としては引渡までの期間は短いに越したことはありません。そのため、引渡までの期日を60日などと設定してオファーを出された場合は、それを30日や40日としてカウンターオファーを提示することも可能です。

 

③条項「J-1(室内点検)」の期日


こちらは本連載第15回でもご説明しましたが、「買主側による無条件解約期日の設定」を意味します。そのため、この期日を長めに設定することは売主にとってはリスクになるのです。


物件によってはホテルとして貸している場合など、室内点検時の入室がホテルの空き状況に応じてしまうことがあるため、長めに設定することもあり得ますが、通常は早めに終わらせることを要求します。


例えば、入ってきたオファーのJ-1の期日が「売買契約成立から21日後」になっていた場合は、「売買契約成立から14日後」等に変更してカウンターオファーを提示します。

 

上記に加え、売主としてカウンターオファーに入れる内容に「As-Is Condition Addendum」という書類があります。これは日本で言うところの「現状有姿引渡同意書」になり、新築ではない、いわゆる中古の不動産売買において現状をそのまま引き渡すことに同意してもらうための書類になります。

 

 

[図表1]「As-Is Condition Addendum」サンプル

 

これらの内容をカウンターオファーの書類に落とすと下記のようになります。
(※100万ドルでマーケットに出していた物件に、95万ドルでオファーが入り、引渡期日が60日後、J-1期日が30日後になっていた場合の例)

 

[図表2]「Counter Offer」サンプル

 
 

 

ご覧頂いた通り、このカウンターオファーには「当初のオファー書類から変更をしたい点」のみを記載し、ここに記載しない諸条件に関しては当初のオファー内容を承認したものとみなします。当初のオファー内容が何を指すかを明確にするため、当初オファーの書類の情報もこのカウンターオファーには記載が必要になります。

 

なお、当初のオファー書類には、そのオファーの有効期限が記載されています。


カウンターオファーを出す場合は、その期限内に当初のオファー書類ならびに上記のカウンターオファー書類へサインをして買主に戻す必要があります。

 

買主がこのカウンターオファーを承諾する場合は、この書類に買主のサインが入り「売買契約締結」となります。買主がさらにここから交渉をしてくる場合は、売主側のカウンターオファー内容を受けて買主側からの再カウンターオファーが来る、という流れになります。

 

いずれにしてもどこかのタイミングで落としどころが来ますので、売主・買主双方のサインが入った段階で売買契約が成立となります! そして、その時点で契約書に記載のタイムラインが動き始める、ということになります。

 

次回は契約成立後、お引渡しまでの流れを売主目線で見ていきます。

 

 

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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株式会社Crossover International 代表取締役

仙台第一高等学校、法政大学経済学部経済学科卒業。宅地建物取引士。
2002年より某大手ディベロッパーにて一棟物件、区分所有物件の事業用不動産の販売を手掛け、2005年より中古不動産のバリューアップに特化した不動産会社の創業・ブランディング構築に携わる。2008年より株式会社Seven Signatures Internationalにおいて、主に米国ハワイのホテルレジデンス・ラグジュアリーコンドミニアムプロジェクトの日本の超富裕層マーケティングのセールディレクターに就任。2017年に株式会社Crossover Internationalを設立。

WEBサイト http://www.crossover-international.com/

著者紹介

連載田村仁のホノルル不動産通信

本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は著者の個人的な見解を示したものであり、著者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、著者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

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