ハワイ不動産の売却・・・売買契約の成立後、引渡しまでの流れ

前回は、買い手からの「オファー」への対応について解説しました。今回は、売買契約の成立後の引渡しまでの流れについて見ていきます。

エスクローオープン後、売主・買主の手続きがスタート

今回は売却物件の売買契約の成立後、引渡しまでの流れを売主目線で見ていきます。

 

米国の不動産取引では、必ず取引の間にエスクローという第三者機関が入るため、取引を安全に進めることが可能です。売主としては所有権移転登記をしたのにも関わらず売却代金を受領できないとか、買主としては資金を支払ったにも関わらず登記がされないとか、そういったリスクがエスクローによってカバーされます。

 

売買契約が成立し、エスクローがオープンすると、売主/買主双方の手続きがスタートします。引渡しまでのプロセスとしては、大きく分けて2つあります。

 

①売買契約書に規定された各条項の履行手続き
②エスクローが指定した所有権移転登記必要書類の手続き

 

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まずは「①売買契約書に規定された各条項の履行手続き」に関してですが、これは各条項に売主と買主の間で合意した手続期日が存在します。その期日を徒過しないように手続きを進める必要がありますが、売主側で必要な手続きには主に下記のものがあります。

 

◆I-1:Seller’s Disclosure(売主による情報開示)


こちらは売主が売却不動産に関して把握している情報を開示するための書類になります。日本とは違い、ハワイには瑕疵担保責任がないため、この開示内容に誤りがあり隠れた瑕疵があったとしても売主の責任にはなりません。

 

※売主が自分自身で記入する必要があります。

 

◆E-3:Inventory List(家具/備品リスト)

 

売却物件に家具や備品も備え付けで売却する場合、何が含まれて何が含まれないかを明確にするために、含まれるものをリスト化します。

 

※売主に確認を取りながら、Seller Agentが作成するのが一般的です。
※ホテルコンドミニアムなどの場合は、元々ホテルスタンダードの家具/備品があり、それをそのまま引き渡すことになります。その際はすべての家具/備品リストをSeller Agentが作成します。

 

◆M-1:Condominium Documents(コンドミニアムプロジェクト書類)


コンドミニアムを売却する際には、そのプロジェクト全体の概要を記した書類一式を買主に提供することとなります。

 

※Seller Agentが手配しBuyer Agentへ提供します。手配に要した費用は引渡時にエスクロー内で精算されるのが一般的です。

 

◆N-1:Rental Documents(賃貸借契約書等)


賃貸中の物件の場合、賃貸借契約書を含むレンタル関連書類一式を買主に提供する場合があります。

 

※Authorization(委任状)をもらいSeller Agentが代理入手することも可能です。

「シロアリ検査費用」は売主負担が一般的

◆L-2:Termite Inspection(シロアリ検査報告書)

 

ハワイではシロアリ検査を行うのが一般的です。また、その検査に関しては買主が業者を指定し、売主が検査費用を支払うケースが大半です。

 

※コンドミニアムではあまりシロアリの心配はありませんが、戸建てではあり得ます。シロアリ検査費用は概算で300ドル程度になります。

 

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◆J-1:Inspection Approval(室内点検による買主からの補修依頼に対する回答)


上記「I-1:Seller’s Disclosure(売主による情報開示)」で売主による情報開示内容に不備があったとしても法的に責任を問えないことに対して、ハワイでは買主に室内点検をする権利を付与しています。


買主は、専門家に依頼をして室内点検調査レポートを作成してもらうことになりますが、その内容によっては解約をすることが可能になっています。多くの場合は、レポートで指摘された事項について売主に補修を要求することが多いのですが、その要求を受けて補修を行なうか否かは売主次第です。

 

※「As-Is Condition Addendum(現状引渡同意書)」を締結している場合、補修するかどうかは売主の判断となります。「補修しない」という選択も可能ですが、買主がそれを理由にキャンセルする権利を保持しているということを理解した上で判断が必要になります。

 

売買契約書上に規定された売主側の手続きについては、上記がメインになります。経験豊富なSeller Agentであれば問題なく手続きを進めていけるものですので、ご安心下さい。

 

次回は「②エスクローが指定した所有権移転登記必要書類の手続き」について、個人名義で所有している場合と法人名義で所有している場合で解説していきます。

株式会社Crossover International 代表取締役

仙台第一高等学校、法政大学経済学部経済学科卒業。宅地建物取引士。
2002年より某大手ディベロッパーにて一棟物件、区分所有物件の事業用不動産の販売を手掛け、2005年より中古不動産のバリューアップに特化した不動産会社の創業・ブランディング構築に携わる。2008年より株式会社Seven Signatures Internationalにおいて、主に米国ハワイのホテルレジデンス・ラグジュアリーコンドミニアムプロジェクトの日本の超富裕層マーケティングのセールディレクターに就任。2017年に株式会社Crossover Internationalを設立。

WEBサイト http://www.crossover-international.com/

著者紹介

連載田村仁のホノルル不動産通信

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