前回は、ハワイのほとんどのエージェントが利用している契約書フォーマットを例に、「媒介契約書」のチェックポイントを解説しました。今回は、「MLS」に登録される物件情報の具体例を見ていきます。

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売主側のエージェントが「MLS」に物件を登録・公開

今回は、実際にご自身の物件がマーケットに出されたところからの流れです。前回取り上げました売買契約書を締結すると、売主側のエージェントがMLS(Multiple Listing Service)に当該物件を登録・公開します。

 

サンプルとして、弊社が媒介を受託した物件のMLSデータをご覧下さい。

 

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[図表1]Trump 1909 MLS掲載情報

 

 

こちらがMLSに登録された情報です。下記の内容がこのデータに記載されています。


●General Information:価格/面積/間取り/築年等
●Listing Agent Info:媒介契約締結日/エージェント名/会社名/連絡先等
●Remarks:売主エージェントより物件の特徴ならびに注意点説明
●Association Info:建物管理会社情報/管理費/その他維持コスト詳細
●Features:物件に付帯する設備/共用施設/建物構造等
●Tax & Financial Info:固定資産税額/土地建物評価額等

 

一般の方には少し難しいかもしれませんが、ハワイの不動産エージェントはこの書式に慣れ親しんでいるので、この情報をもとに顧客への提案を行います。

 

第26回で、ハワイには一般媒介はなく、専属専任媒介になる、というお話をさせて頂きましたが、各不動産業者はこのMLSの情報を自動的に取り込み、自社のWebサイトに掲載することができます。

 

例えば、米国の不動産会社に「REDFIN」という会社があります。こちらの会社のWebサイトを見てみると、下記のように、弊社が受託したTrump Tower Waikiki 1909号室があたかも自社物件のように出てきます。

(参照:https://www.redfin.com/HI/Honolulu/223-Saratoga-Rd-96815/unit-1909/home/88460560

 

これは手動で行っているのではなく、MLSに掲載された情報を自動的に自社のWebサイト用にレイアウトを変えて掲載しているのです。REDFIN同様に、他社のサイトでも弊社がMLSに掲載した物件を見つけることができるわけです。このシステムが米国では確立されているので、複数の会社が同一物件をMLSに登録することは基本的にあり得ないのです。

 

なお、上記サイトからわかるように、このMLS上には文字上の物件情報だけではなく、写真なども掲載することが可能です。これは売主側エージェントの業務になるのですが、その写真を適当にスマホで撮影して掲載する人もいれば、しっかりとプロのカメラマンに依頼をして撮影してくれるエージェントもいます。

3D撮影された室内写真で、どこからでも見学が可能に

また、現在は最新のテクノロジーで室内の3D撮影も可能になりました。下記が、Trump Tower Waikiki 1909号室の3D撮影になりますが、Googleのストリートビューのような形で室内を自由にご覧頂くことができます。

 

 

このように、MLSに掲載するにあたり、エージェントがどこまでその物件を売却するためにどのような施策を行ってくれるのか、要確認ですね。

 

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実際にマーケットに出してから、潜在顧客へその情報が伝達するまでの流れは下記のようになります。

 

[図表2]売却希望物件情報が潜在顧客へ伝達するまでの流れ

 

不動産を売却しようとする売主としては、情報をより多くの潜在顧客へ届ける必要があります。最も確実な方法は、潜在顧客を抱えている買い主側エージェントに情報を認知してもらい、各エージェントの顧客に積極的に届けてもらうことです。

 

第28回でお話しした通り、ハワイのオアフ島には常時3,500件前後の売却物件がマーケットに出ています。エージェントも全物件を確認することができるわけではないため、その中でどのように認知してもらうかということも重要な戦略が必要です。

 

特に、ハワイ不動産の購入を検討しているお客さまは、具体的に物件を決めて来られる方はあまり多くありません。どちらかというと信頼しているエージェントに希望条件を伝え、その条件に見合った物件を提案して欲しい、という方が多いかと思います。その際に、エージェントの提案物件の中に当該物件を組み込んでもらうことが重要です。


次回は、購入希望者が現れた際の、売買契約交渉の流れについて解説します。

 

 

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