ハワイ不動産の「売買契約書」の見方⑦~特別条項等

前回は、ハワイ不動産の「売買契約書」のうち、税金関連の条項等について解説しました。今回は、特別条項等について見ていきます。

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Standard Formでは規定外のリクエストを記入

今回で、「ハワイ不動産の売買契約書の見方」も最終回となります。契約書の締めの部分を見ていきましょう。

⑲SPECIAL TERMS(特別条項)


『ハワイ不動産の購入 売買契約締結までのプロセスとは?』でもご説明した通り、ハワイ不動産の売買契約書には、このように細かな条項を記載したStandard Formが存在しますが、このStandard Formも100%を網羅できているわけではありません。そのために、この特別条項のフリーハンドの欄があり、各取引に応じて買主側が売主側に別途要求したい内容などを記載することができるようになっています。


通常のホテルコンドやコンドミニアムの取引では、この欄に記載する機会はないかもしれませんが、何か特殊なリクエストがある場合にはこちらを利用して売主側に交渉ができる、と覚えておいて頂ければと思います。

 

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⑳Section R:Brokerage Firms Services and Disclaimers(仲介業者のサービスと責任)


この条項では、仲介業者が提供するサービスの範囲と、その責任範囲について記載されています。これは不動産売買契約を行う上で、売主・買主双方が理解をしておかなければならない点、ということを意味しています。不動産の仲介業者は、あくまでも売買時のエージェントです。売買に関する税務・法務・鑑定・インスペクション等、売買時には様々な専門的知識が必要になってきますが、その内容に少しでも疑問や不安があれば、しっかりと各専門家に問い合わせをする必要があります。


また、エージェントは物件購入後の利回りを保証することはできませんし、将来売却時の価格を保証することもできません。逆に言うと、そのような話をしてくるエージェントには注意が必要です。『米国の不動産取引の「透明度」が日本よりも高い理由』でも触れた「MLS」というシステムに、当該不動産取引の内容を登録することを売主・買主双方が承認する、という条項もここに含まれます。不動産協会のStandard Form上にこの文言が記載されているので、新築以外のほぼ全ての不動産取引の詳細はMLS上にしっかりとデータとして蓄積されていくのです。それが、米国の不動産取引の透明性を高めている大きな要因の1つです。

電子署名システムを経由した「売買契約書」へのサイン

㉑Signature Part(サイン箇所)


いよいよ最終ポイントです。ここまで、買主として希望する購入条件を売買契約書に全て記載してきました。ここで「買主はこの購入契約書に提示した価格と諸条件で物件を購入することに同意し、購入契約の写しを受領したことを確認する」と理解した上で、署名をします。


ちなみに、米国では不動産取引のオンライン化が急速に浸透しておりまして、この売買契約書へのサインも、直筆でサインすることはほぼなくなりました。いわゆる「電子署名化」が進んでいるので、基本的には担当のエージェントから電子署名システムを経由して電子メールが送信され、オンライン上でクリックしていくことでサインをしたことと同じ法的効果が得られるようになっています。

 

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Section T:Acceptance or Counter Offer(承諾もしくは対案提示)


上記項目にて、買主が署名した売買契約書を売主へ提出をしたことになります。この条項では、その売買契約書を受け取った売主が、その条件をAccept「承諾」するか、Counter Offer「対案提示」をするかを選択します。

 

Acceptの場合はT-1を選択し、売主としてのサインを入れることにより、売買契約が成立となります。Counter Offerの場合は、T-2を選択し、売主側が作成するCounter Offerの書類を添付して買主側へ提出することになります。

 

例えば、100万ドルでマーケットに出していた物件に対して、買主が95万ドルでOfferを入れてきた際に、「97万5000ドルでどうですか?」と売主側から再交渉を行うような場合です。Counter Offerを提出する際には、このオリジナルの売買契約書には売主としてサインをします。サイン済の売買契約書と、新たに売主が作成したCounter Offerの書類がセットになって買主に戻ってくる、ということになります。買主がそのCounter Offerの内容に合意すれば、Counter Offerへサインをして、それをもって売買契約成立となります。


日本とは契約書の書式・内容、進め方も異なりますが、ハワイの不動産取引のほとんどはこのフォーマットに従って進んでいきます。つまり、物件ごとにそれぞれ進め方が異なるわけではありません。エージェントによって多少の違いはあるかもしれませんが、基本は同様の業務を提供します。


ですので、一度この流れと内容を理解できれば、いざ良い物件が見つかった場合に、「オファーを入れる」ことに対して慌てず、落ち着いて進めることができるかと思いますので、ご参考にして頂ければと思います。

 

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株式会社Crossover International 代表取締役

仙台第一高等学校、法政大学経済学部経済学科卒業。宅地建物取引士。
2002年より某大手ディベロッパーにて一棟物件、区分所有物件の事業用不動産の販売を手掛け、2005年より中古不動産のバリューアップに特化した不動産会社の創業・ブランディング構築に携わる。2008年より株式会社Seven Signatures Internationalにおいて、主に米国ハワイのホテルレジデンス・ラグジュアリーコンドミニアムプロジェクトの日本の超富裕層マーケティングのセールディレクターに就任。2017年に株式会社Crossover Internationalを設立。

WEBサイト http://www.crossover-international.com/

著者紹介

連載田村仁のホノルル不動産通信

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