前回は、中小企業の採用において「たくさん集めて選別する」手法がダメな理由を説明しました。今回は、理念や共感を深める内定者フォローの重要性を見ていきます。

連絡頻度が減ると、他社を受けられて辞退になることも

目指すべき人材採用、3つ目のポイントは「理念共感を深める内定者フォロー」です。

 

理念が伝わることを中心に考えて採用活動を行っていくと、理念共感度の高い人が集まります。そのため選考へと至る候補者も、自然と理念に共感してくれている人、あるいは共感している度合が高い人となるわけです。

 

理念への共感度が高いということはつまり、その会社に好意をもっていることと同義です。会社のことが好きな応募者であれば、内定後のフォローも最小限で済むでしょう。その結果、フォローの負担が減ることになります。

 

現状、内定を出した後の離脱を防ぐために、飲み会やボウリング大会、バーベキューイベントなど、手厚いフォローやイベントを検討している企業も少なくありません。しかし、それらが非効率な採用活動の延長線上にある点は見逃せません。また、新卒採用では個別にリクルーターを付けてフォローしている企業も多くありますが、レクリエーションイベントだけでは、連絡を取る必然がなかなか生まれにくいものです。

 

優秀と認める層には早めの内定を出す企業が多いと思いますが、10月の内定式までのフォロー期間が長くなると、結局だんだんと連絡を取る必然がなくなります。そうこうするうちに、いつの間にか他社を受けられてしまい、超大手企業が内定を出す7月頃に内定辞退に至るという流れをよく見てきました。

ケーススタディやワークショップで「当事者意識」を

理念に深く共感し、自社に深い共感をもってくれている人であれば、フォローや教育の効果が自然と高まります。根底にある目的や目指すべきところを共有しているので、施策が腹落ちしやすいのです。だからこそ、内定を出した後であっても、自社の理念や戦略などについての理解を深められる施策が必要です。

 

例えば、自社の理念や戦略に即したケーススタディを作成し、ワークショップを行うだけでも、企業の未来を考えるきっかけになります。その過程において、「自分だったらどうするか」という当事者意識が生まれ、自社へのロイヤリティが高まるのです。「なぜ創業したのか」「なぜ自社はこういう未来を描いているのか」といったことをワークショップで考えてもらい、今後の戦略についても一緒に考えていく。そのような施策が、効率的なフォローや教育につながります。

「無名×中小企業」でもほしい人材を獲得できる採用ブランディング

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深澤 了

幻冬舎メディアコンサルティング

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