採用活動の改善が、企業の業績に好影響を与える
採用ブランディングの効果は、採用の現場だけにとどまりません。通常のブランディングと同じように売り上げや利益にも好影響を与えます。
例えば、1996年にロンドン・ビジネススクールのティム・アンブラー氏とサイモン・バロー氏が発表した論文において、社内の人材が会社に好影響を与え、それが営業活動として外に向かい、良い人材の獲得につながり、さらに社内の人員が拡充されていくという循環が示されています(図表)。
[図表]優秀な人材が与える好循環のサイクル
また、リクルートマネジメントソリューションズ組織行動研究所(監修・野中郁次郎)による『日本の持続的成長企業』(東洋経済新報社)には、採用ブランディングでも重視している「理念の浸透」が業績に与えている影響についての調査結果が掲載されています。その調査によると、理念(ビジョン)の共有と企業業績に相関があることが統計的にも見てとれます。
実行・変革力と部門間コミュニケーション向上の結果
具体的には、業績に影響を与える指標として、実行・変革力と知の創出力が挙げられています。前者は、文字通り実行する力と変革する力のこと。後者は簡単に言えば、部門間での深いコミュニケーションによるアイデアの創出や協力関係を表しています。その両方に影響を与えているのが、ビジョンの共有であると結論づけられているのです。
このように、採用ブランディングを実践することは、採用そのものだけでなく、売り上げや会社の業績にも好影響を与えることになります。