今回は、メガバンクと地銀の「提携」の裏側で、どのような取引が行われているのかを探ります。※本連載では、現場での実務経験豊富な経営コンサルタントである著者が、銀行交渉の成功事例、融資を受けるために知っておきたい銀行の内部事情などを紹介します。

「系列の垣根を超えた提携」として注目されるが・・・

“みずほ銀行と静岡銀行が提携”

という記事がありました。

 

お互いの強みを生かし、例えば、

みずほ銀行で静岡エリアでの住宅ローン申し込みがあれば、

静岡銀行を紹介したりします、とありました。

 

本来、静岡銀行は三菱銀行系列です。

その垣根を超えた提携であることも、

大きな記事で取り上げられた要因のひとつです。

 

いまのところ、

メガが地銀に提携協力する、という事例だけが書かれています。

しかし、合併に対等がないように、

提携にも対等はない、と私は思っています。

表向きは「提携」でも、実態は「吸収」!?

最近、こんなことを聞きました。

 

先日、赤いメガバンクが人材を売りに来ています!

とブログで紹介したところ、

「うちの近所では、赤いメガバンクの支店長が、

 他の地銀の支店長として、転籍しましたよ!」

と教えてくれたのです。

しかもその地銀は、青いメガバンクの系列だったのです。

 

系列に関係なく、メガバンクが地銀と提携する、

ということが、すでに始まっていたのです。

加えて、提携という名のもとに、赤いメガバンクは、

不要な支店長を、提携先の地銀に押し付けたのです。

提携とはいうものの、名ばかり提携、なのです。

 

地銀にしても、

人材の押し付けをおとなしく受け入れているはずがありません。

おそらくメガバンクから、

“そのかわり、その地域での住宅ローンの申し入れがあれば、

 そちらに回すから。”

といったような裏取引が、されているはずなのです。

 

なので、今回のみずほと静岡銀行の提携にも、

静岡銀行に不要人材を押し付けようとする、

魂胆があるはずだと見ています。

みずほは今、大量の人員削減を、公表してまで実践しているのですから。

表向きは「提携」ですが、実態は「吸収」なのです。

 

静岡銀行と取引のある会社は、その担当者の立場を踏まえて、

「“提携”とはいうものの、

 実際にはいろいろ大変なんじゃないですか?」

と声をかけてみてほしいのです。

記事には表れない、実態が見えてくるはずです。

本連載は、株式会社アイ・シー・オーコンサルティングの代表取締役・古山喜章氏のブログ『ICO 経営道場』から抜粋・再編集したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。ブログはこちらから⇒http://icoconsul.cocolog-nifty.com/blog/

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