前回は、中小企業経営者が把握すべき「社員の4つのレベル」について解説しました。今回は、中小企業の発展に「直接的なコミュニケーション」が重要な理由を見ていきます。

「組織化・システム化」は大企業の得意技だが・・・

では会社を「発展界」の中でより長く存続させていくためには、経営者自身はどうすればいいのか。

 

組織化、システム化によってだれがやっても同じ結果を出すのは大企業の得意技だ。それに対して中小企業は人と人との直接的なコミュニケーションによって1プラス1を3にも4にもしていけるのが強み。直接人と人とが触れ合うと、そこにはデジタルなコミュニケーションにはない連続性が生まれる。デジタルはすべてがぶつ切りになっているが、アナログは全体が緊密に結びついている。そのアナログ特有の連続性から事業や会社への愛が生まれると私は考えている。つまりアナログ経営こそ中小企業の得意分野なのだ。

 

だから経営者も大企業のトップのようにインターネットで経営理念を発信するなんてまどろっこしいことはやめて、直接、人に会って自分の考えを伝えることだ。

 

とくに自分とは違うものの考え方をしている人に会うことが重要だ。これを異業種交流と考えてもいいし、相談相手をさがすことと考えてもいい。中小企業の経営者の場合、自分一人で問題を抱え込んでいても、けっしていいことはない。社外にハラを割って自分の悩みを相談できる相手を持つことが重要だ。

中小企業の発展には、社内が一体となることが肝要

中小企業を発展させていくには、とにかく経営者から新入社員まで社内が一体となることが肝要だ。

 

経営者は常に社内に目を配り、不満をもった社員を見つけたらベテラン・新人を問わず直接話をして、その場その場で不満を解消していくことだ。それが派閥の芽を摘むことにもつながるし、社員の経営者への信頼を高めることにもつながる。

 

また、経営者がそうした姿勢をもてば、ベテラン社員が常にプラス発想で、また安心して業務にあたることになるので、部下たちの信頼や尊敬を集め、会社としての信用も高まるのだ。

本連載は、2018年1月16日刊行の書籍『「無名×中小企業」でもほしい人材を獲得できる採用ブランディング』(幻冬舎メディアコンサルティング)から抜粋したものです。その後の法令改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

中小企業の経営極意 裏と表とそのあいだ

中小企業の経営極意 裏と表とそのあいだ

井指 好康

幻冬舎メディアコンサルティング

儲かる会社をつくる社長の思考・行動とは? 自分のため、会社のために働く「自立型社員」を増やし、顧客から求められる会社になるための具体的ノウハウを満載! 中小企業コンサルタントが明かす「勝ち組社長」の共通点 ●…

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