中小企業特有の「曖昧さ」を「定量化」で改善
中小企業の強みはアナログ的な連続性だと書いたが、アナログ的な体質は、見方を変えると曖昧さが強いということでもある。
したがって中小企業の強みであるアナログ的な連続性を武器に発展していくためには、一方でこの曖昧さを少しでもなくして社内を改善・改革し「風通しのいい会社」にしていく必要がある。これは、これからの時代を生き抜く中小企業の経営者にとって避けては通れない大きな壁である。
この社内の改善・改革のキーワードが「定量化」だ。
社員のキャリアデザインの判断も「定量化」の一つ
まず「定量化」の「定」には、物事を新しい事柄に変えて定めるという意味がある。
10年選手のベテラン社員が、会社というものは定年まで勤め上げるものという考え方に凝り固まっていたとしたら、その考えを変えさせ、たとえば独立という新しい道を見つけてあげるのも「定量化」だ。また新しい社員が入ってきたとき、経営者としての資質をもっているか、あるいは会社員という立場でキャリアを重ねた方がいいのか、それとも独立という道が向いているのか、経営者が責任をもって判断してあげるのも「定量化」といっていい。
こうしたことを曖昧にせず、日々の業務を通じて定量化していくことで、社員にとって自分がこの会社で働く意味がより鮮明になってくるのだ。