部下の個人的な情報を、上司にも漏らさずいられるか?
前回の続きです。
(3)打ち明けられた秘密を守れるか
リーダーともなると部下から仕事上の悩みだけでなく、しばしばプライベートな悩みを打ち明けられることも増えてくる。当然部下の個人的な情報を知りうる立場になるのがリーダーだ。
こうした個人的な情報の扱いは難しい。個人的な情報といっても完全に会社や仕事の内容と無関係ではない場合も多いからだ。あとで何か問題が起きたときのことを考えると、上席の社員や経営者の耳に入れておいた方がいいのでは、と考えざるを得ない場合がある。
しかし基本的に部下から打ち明けられた秘密は守るというのがリーダーの条件だ。一度でも秘密を漏らしてしまったリーダーは、以後けっして信用されなくなる。だから経営者はそこを十分に理解して、リーダーが部下の秘密を上席に漏らしてしまうような雰囲気をつくってはいけない。
部下の評価や指導を行う人間力があるか?
(4)部下を正しく評価できるか
仕事をしていて自分の努力がきちんと評価されていると感じている人は非常に少ない。とくに会社員として働いていて会社から自分の努力が認められ、それに見合った給料をもらっていると感じている人は、ほとんどいないだろう。
だからこそリーダーの評価は重要なのだ。会社の発展のために努力し業績アップに貢献している部下を正しく評価できることは、リーダーの重要な役割といえる。
そうした評価が給料に反映されない場合も少なくないが、言葉や態度で部下の努力をねぎらうことはもちろん、リーダーにはそれ以外の方法で部下の努力に報いることも必要である。こうした形で部下のやる気を引き出していくのもリーダーの役目だ。
(5)愛情をもって部下を指導できるか
現場の規律を乱したり会社のルールを守らない部下がいたら、経営者からいわれる前に、なぜ規律を乱してはいけないのか、なぜ会社のルールを守らないといけないのか、相手が納得できるまできちんと説明できるリーダーであってほしい。規律やルールがあるから守れといった杓子定規な注意や指導ではなく、部下がさらに成長するには、なぜそれが必要なのかを説く気持ちがほしい。
また若手社員などは少し仕事を覚えてきて成績が上がるようになると、傲慢な態度を平気でとるようになる。同僚を見下したり先輩を先輩と思わないような態度をとるようになる。そんな傲慢な部下に素直さと謙虚さの大切さを説き、さらに高い目標を与え、それをめざすように指導できるリーダーでありたい。
人間として部下に対して愛情をもって接していくことのできる人間であるべきだ。
現場の社員を安心させるリーダーの条件
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1 報告・連絡・相談はリーダー自らが行うこと
2 何が起きても落ち着いた態度をとれること
3 部下から打ち明けられた秘密は必ず守ること
4 会社の発展のために努力し、業績アップに貢献している部下を正しく評価し、上司に正しく報告できること
5 現場の規律を乱したり会社のルールを守らない部下を正しく指導し、守らせていく勇気があること
6 傲慢な部下に素直さと謙虚さの大切さを説き、さらに高い目標を与え、それをめざすように指導できること