今回は、ドライアイの症状が把握できる「 チェックリスト」と、その活用法を紹介します。※本連載は、医療コミュニケーションの研究とともに、患者さんへ病気の知識をわかりやすく伝える活動を続けている眼科専門医・平松類氏の著書『本当は怖いドライアイ』(時事通信出版局)の中から一部を抜粋し、ドライアイの基礎知識と対処法をご紹介します。

0個なら大丈夫、1個以上あればドライアイの疑いが・・・

ドライアイによる症状がどれくらい出ているかをチェックしましょう(下記参照)。0個なら大丈夫です。1個以上あればドライアイの疑い。3個以上でドライアイの疑いが強い状態です。

 

[ドライアイチェックリスト]

 

□目が乾いた感じがする

 
 

□目がゴロゴロする。

□目になんとなく不快感がする

□まぶしい

□目が疲れる

□物がかすんで見えやすい

□コンタクト・パソコン・エアコンいずれかを使う

□目が重たい

 

 

筆者の著書『本当は怖いドライアイ』を読んで、書かれていることを実行するうちにあなたの目のつらさがとれてくるはずです。けれども「よくなったという実感」は慣れるとわからなくなってしまうものです。「病気のときほど健康のありがたみがわかる」といいます。

 

風邪をひいていて寝込んでいるときは「普通に歩いて生活できたこと」がどんなに幸せだったのかと思います。風邪が治ると、つい「普通に歩けて当たり前」になってしまいます。

 

ドライアイも同じです。よくなってしばらくすると、つい「よい状態が当たり前だ」と思ってしまいます。せっかくよくなってきているのに、「もう続けても大して変わらない」と勘違いして治療をやめてしまうのです。

なぜ「定期的なチェック」が必要なのか?

40代の男性の方はドライアイで治療をしていました、はじめは本を読むのもつらいということでしたが次第に改善していきました。定期的に診察をして目薬をさしていました。目は徐々にきれいになってきているのですが、本人としては「いつまでたってもよくなった気がしない」のです。次第に診察が来るのが面倒になって4カ月がたったころ、久しぶりに診察に来たのです。ちょっと頭をかきながらこう言いました。「やっぱり治療していないとつらいですね。本も読むのがつらくなってきました」。

 

昔は本も読めなくてつらかったのによくなったらついつい忘れてしまい、治療をしなくなってしまうことがあります。せっかくよくなってきている途中でやめてしまうと、また一から治療が必要になってしまいます。

 

そこでチェックを定期的に行いましょう。まばたきチェックと合わせて、自分の症状がどの程度よくなってきているのかを確認してみてください。表では1カ月・3カ月・6カ月としてありますが、毎月チェックするのもよいでしょう。その場合は欄外に書いておいてください。

 

さて、こうやってあなたは自分のドライアイの状態を確認できました。そこで次回はドライアイが治せる理由と、目薬だけでは治らない理由をお話ししようと思います。

本連載は、2017年1月20日刊行の書籍『本当は怖いドライアイ』から抜粋したものです。最新の内容には一部対応していない可能性がございますので、あらかじめご了承ください。

本当は怖いドライアイ

本当は怖いドライアイ

平松 類

時事通信出版局

医師も軽く考えがちなドライアイ。 目薬で一時的によくなっても、根本は治っていません。 でも、安心してください。 いい対処法があるのです。この本に出会ったことが、苦しみと決別するチャンスです。 目が乾燥することによ…

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