今回は、中小企業の会計を「自動化」「クラウド化」へ移行すべき理由を見ていきます。※本連載では、現場での実務経験豊富な経営コンサルタントである著者が、銀行交渉の成功事例、融資を受けるために知っておきたい銀行の内部事情などを紹介します。

AIやIoTで確実に進化する「クラウド会計・自動会計」

フィンテックも、AIやIoTに次いで、
最近の新聞紙面には欠かせない言葉のひとつになりました。
フィンテックは、ファイナンスとテクノロジーが合体した言葉です。
技術的なことはさておき、フィンテックが進むと、
中小企業にはどのような影響があるのか、です。

 

前回、フィンテックが進行した先には、
決算書に頼らない、リアルタイムの会計データをもとにした、
新たな格付け(スコアリング)が登場するだろう、
と申し上げました。

 

「それはまだまだ、ムリじゃないですか?」
と思うかもしれません。
しかし、5年後はムリかもしれませんが、
10年後だとどうだろう、と思うのです。

 

人手不足を背景に、AIやIoTの管理業務への活用は、
今後劇的に進化することは、ほぼ確実です。
その進化の過程で、クラウド会計や自動会計は、ますます進むはずです。
となると、リアルタイムの財務データをもとに、
評価機関が企業を格付け評価して融資する、
銀行なのかファンドなのかが、登場してきます。

アナログ企業は融資側にとって「面倒くさい存在」に!?

その流れがじわじわ進みはじめると、
「この方法で格付けしたほうが、ラクだし、
 直近の会計データが基礎なので、信用格付けの誤りも少ない。」
ということが、融資する側で気づき始めます。
となると、流れは一気に激しくなります。

 

そのときに取り残されるのは、アナログ企業です。
会計データのデジタル化やクラウド化が進んだ企業への
融資や格付けが、優遇される時代に変わるのです。
これまで通りの、毎年の決算書だけで格付けするしかない企業は、
融資サイドにとって、おそらく面倒くさい存在になってきます。

 

つまり、会計データは、セキュリティや縛りを設けつつも、
もっと早くもっと簡単に、
評価機関へ提供できる時代がやってくるのです。

 

そのような時代が到来した際に、取り残されないよう、
たとえ中小企業であっても、会計データの自動化やクラウド化に、
少しずつでも移行してゆく必要があるのです。

本連載は、株式会社アイ・シー・オーコンサルティングの代表取締役・古山喜章氏のブログ『ICO 経営道場』から抜粋・再編集したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。ブログはこちらから⇒http://icoconsul.cocolog-nifty.com/blog/

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