シンジケートローン=融資のリスク分散
銀行は今や「手数料産業」である、
と言い続けています。
シンジケートローンは、手数料のかたまりです、
と、前回書かせて頂きました。
加えて、銀行がシンジケートローンを勧めるには、
もうひとつの狙いがあります。
それは、融資のリスク分散です。
銀行は、
融資はしたいけれども、リスクはとりたくありません。
銀行にとってのリスクとは、返済回収の不安です。
返済回収の不安とは、財務内容の悪化であり、
決算書の内容悪化です。
つまり、銀行がシンジケートローンを勧めてくる、
ということは、融資の返済回収に不安を抱えている、
ということです。財務状況が、悪くなっているのです。
だから、自分の銀行だけでなく、
他の銀行も、融資に巻き込んでおきたいのです。
回収不安に備え、取れるものを取ろうとする銀行
本来銀行は、その融資先でのシェアを拡大しておきたのです。
なのに、シンジケートローンを組む、ということは、
その全く逆のことを、するのです。
シェアを下げることを、するのです。
融資を継続しなければ、
既存の融資を回収できないかもしれないことは、
その銀行が一番よくわかっています。
とはいえ、これ以上融資を増やしすぎるのは、避けたいのです。
ということから、
回収できないかも、というリスクに備えるため、
「シンジケートローンは、いかがでしょうか?」
と、勧めてくるのです。
リスクを分散しておきたいのです。
で、回収不安のリスクに備えて、
できるだけ今のうちに取れるものは取っておこう、的な発想で、
なんだかんだと手数料をガバガバ取りにかかるのです。
なので、銀行がシンジケートローンを勧めてきたら、
それは、会社の財務状況が危機に陥っている、ということなのです。