前回は、利用者に安心感のある暮らしを提供する「ケアハウス」の試みを紹介しました。今回は、利用者に寄り添った丁寧な介護を提供する「訪問介護」の役割について見ていきます。

利用者の自宅を訪れ、買い物などの生活支援を行う

訪問介護は、自宅で暮らす利用者のもとを訪れ、入浴や調理、買い物などの生活支援を行うサービスです。

 

要介護認定を受けた65歳以上の人、または特定疾患によって要介護状態になった40歳以上の人が利用できます。

 

ケアマネジャーによって在宅生活のケアプランが作成され、それに従ってホームヘルパーがサービスを提供するため、すべての人が同じサービスを利用できるわけではありません。また、同じサービスであっても、ある利用者はきれい好き、また別の利用者は洗濯物のたたみ方にこだわりがある、ほかの利用者は糖尿病を患っているため食事に注意が必要……など、利用者によって求めるサービスのレベルが違い、その要望に応じなければなりません。

 

また、介護職員は利用者の家の状況に合わせ、利用者にとって快適な環境を整えなければなりません。

 

ホームヘルパーは、基本的にその家にある道具でサービスを行うため、必要な道具や設備がそろっていなかったり、トイレやお風呂などの形状によっては、入浴介助などのサービス提供が困難だったりする場合もありますが、そういうときも臨機応変に対応しています。

 

ヘルパーステーションに所属しているホームヘルパーは、毎日2~3人の利用者の自宅をまわり、それぞれに必要なサービスを提供します。担当制であれば決まった利用者だけを把握していればよいのですが、日によって担当する利用者が変わることも多いため、当日の申し送りでしっかりと情報を引き継ぐことが重要になります。

介護保険の対象外となるサービスに注意

訪問介護において提供するサービスは、入浴や食事介助、トイレの介助、見守りなどの「身体介護サービス」と、洗濯、食事の用意、買い物の支援など「生活支援サービス」に分けられます。

 

すべて利用者の自宅内で行うサービスですが、中には介護保険のサービス対象外のものもあるので注意が必要です。

 

介護保険サービス対象外の生活支援

 

●利用者の家族の食事をつくる

●利用者の居住する部屋や共有部分以外の掃除をする

●部屋の大掃除をする

●洗車、ペットの世話

●来客対応……など

 

ホームヘルパーは、利用者の生活支援を行うのが仕事ですが、決して「家政婦」ではありません。そのことをしっかりと理解して、利用者の生活のために役立つ支援を提供します。

 

[図表]訪問介護のタイムスケジュール

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