前回は、トランプの政策でアメリカ不動産投資が有利になる理由を解説しました。今回は、アメリカ地方都市の不動産投資において、狙い目となるエリアを見ていきます。

居住者の生活水準による「区分」が存在!?

今回は、アメリカ不動産投資において、どのようなエリアの物件を購入すればもっともリスクが低く、かつ高いリターンが得られるのかを説明します。

 

アメリカは日本と違い、ほとんどの都市が「下流エリア」「中流住宅街エリア」「高級住宅街エリア」とはっきり分かれています。メンフィスは犯罪が多いと言って避ける人がいますが、犯罪が起こる地域は限定的であり、中流、上流エリアにはそういったトラブルが起きることはあまりありません。

 

一般的に、アメリカ不動産投資では、下流エリアの物件は安く買え、その割には家賃を比較的高く取ることが可能です。なぜならば、下流エリアに住む人たちは低所得層で自宅の購入が難しいため、住居は借りるしかないからです。そのため、利回りは高くなりますが、犯罪や滞納などのリスクも高くなります。下流エリアですと、政府の福祉ハウジングサポート(「セクション8」という政府が家賃をサポートする生活保護の一種)を受けている人も多くおり、そのような借り手に貸すこともあります。

 

このセクション8のテナントは政府が家賃を支払うので、一見安定した収入のように思えます。しかし、家をものすごく汚く使い、オーナーが文句を言うと福祉事務所に虚偽の故障を申告してオーナーに罰金を払わせるといったケースもありえます。借り手が乱暴に家を扱ったことによる修理費や、テナントの激しい入れ替わりによる空室のための経費等がかさみ、最終的な利回りは低くなってしまうケースも多いのです。このような出来事は、私自身も投資を行ってきた中で実際に経験しています。

共働きの新婚夫婦など、属性のいい人々が暮らすのは…

では、高級住宅街の物件への投資がいいかというと、これにはまた逆の問題があります。もともとの物件価格が高い上に、そこに住みたいという人は、高い家賃を払うならば、同じ金額を払って自宅を購入しようと考えます。そのため高級エリアですと、中流や下流エリアに比べ、そもそも賃貸をしようという人がほとんどいません。

 

高級住宅地だからといって、あまり高い家賃をつけても借り手がつかないので、ほどほどの家賃相場になってしまい、オーナーにとってもさほど高い利回りとはなりません。もっとも、利回りは高くなくても上流のテナントだけに貸したい、というケースでしたら、高級エリアでも良いかもしれません。

 

さて、ではもっとも投資対効果が高いのはどういったエリアでしょうか? それが、専門職のブルーカラー(大工さん、看護士さんなど)や、ホワイトカラーでも主に事務職の人たちが住む「中流エリア」です。このあたりですと、いまだ物件価格は比較的安いにもかかわらず、家賃はほどほどに取れ、また安全で環境もよいので、共働きの若い新婚さんや、子どもができたばかりの家族など、比較的質の良いテナントが借りてくれます。

 

結論として、アメリカ地方都市への不動産投資の場合、中流の下エリアが、リスク調整利益の最も高いエリアであるといえます。

 

皆さんもこれを念頭に置いて、エリア選択、物件選定をなさると失敗しない不動産投資ができるかと思いますので、ぜひ参考にしてください。

本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は著者の個人的な見解を示したものであり、著者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、著者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

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