住宅購入価格と家賃比率を見るPrice to Rent Ratio
今回は、地方都市の木造築22年以上の一戸建てへの投資は、日本の税法での加速度減価償却メリットだけでなく、他の面でもアドバンテージなのかをご説明します。
ROIが高く、かつPrice to Rent Ratioが低い、すなわち初期投資価格が安い上にインカムゲインが高いことが最大の魅力です。アメリカの不動産投資家は、「ROI」と「Price to Rent Ratio」とを使って投資対効果を測定しています。
「ROI」とは「Return On Investment」(投資収益率)のことで、最初に自分が投下した投資金額(お金)に対して、年間何パーセントの利益が得られるかです。 ROIは株でも、その他の投資でもよく利用されています。企業の収益性や事業の投資に対する効果を測る指標として有効な数字で、その数値が大きいほど収益性に優れた良い投資です。計算は、
ROI(%)=利益÷投資額×100
となります。
また「Price to Rent Ratio」とは不動産投資にのみ使われる用語ですが、住宅購入価格と家賃比率のことです。計算は、
Price to Rent Ratio(%)=購入価格÷(家賃収入×12ヶ月)
となります。
別の言葉でいえば、全米主要50都市圏の平均不動産価格の物件を購入するのに、年間賃貸支払いの何倍を払うのかという計算で、この数字が低いほど優れた投資となり、大家さんにとっては得になります。しかも、これは全額現金での購入を想定して計算しているので、融資を引くとレバレッジを効かせることができ、よりよい数字になります。
プレイノよりも収益性が高いフロリダ州ジャクソンビル
この住宅購入価格と家賃比率をアメリカ内で見てみますと、ハワイは40.11%、ロサンゼルスは38.02% 、NYは35.65%となっています。そして、トヨタが移転を決めたことで日本人に人気のあるテキサス州のプレイノは19.91%ですが、テクノロジー産業と金融企業が続々と東海岸から移転して、現在発展を続けている穴場都市フロリダ州のジャクソンビルでは14.34%です。
図表1をご覧いただくとわかりますように、ジャクソンビルのようなアメリカ地方都市は、日本人に人気のあるNYやLA、ハワイに比べ、住宅購入価格と家賃比率がダントツに低くなっています。低いほど投資資金回収のスピードが速く、儲かるわけです。
[図表1]住宅価格と家賃比率
それに加えて、市場販売価格が低いので小さな資金で投資可能なのはいわずもがなです。図表2をご覧ください。この価格帯で、安全な場所に3ベッドルーム、2バスルームの庭付きの家が購入可能なのも、アメリカ地方都市は、密集した大都市に比べてまだまだ土地が余っているからです。
[図表2]各都市の市場価格中央値
人気のフロリダ州の成長都市であるにも関わらず、アメリカの他の都市と比べて手ごろな価格で購入できます。地方都市が大都市になっていく過程での投資であり、物件価格もこれから上昇する可能性があるといえるでしょう。