前回は、アメリカ地方都市の物件に投資するメリットとデメリットについて解説しました。今回は、米国不動産の価格を調べるにあたり、ネットの情報はどこまで信用できるのかを見ていきます。

推定住宅価格をもとに年間利益を計算すると・・・

今回は、アメリカ不動産の物件価格についてご説明します。

 

アメリカ不動産投資をはじめた8年前の当時は、まだ何もわからず、アメリカで有名な不動産サイトである「Zillow」や「Trulia」といったサイトに記載されている推定住宅価格や推定家賃価格をもとに、年間利益などを計算していました。しかし、実際にメンフィスやフロリダのアメリカ地方都市へ物件を購入しに行くと、それらは机上の空論に過ぎないと気がついたのです。


まず重要なのが、ZillowやTruliaの「推定住宅価格」とは過去に実際に売れた価格の平均を取っており、必ずしも「今売ったらいくらになるか」という数値を出しているわけではないということです。結果として、先月と今月では全く違った物件が売買されるわけですから、そこに非一貫性が生じてしまいます。

 

また、売り手が買い手に対するインセンティブや物件のバリューアップとして、台所のカウンターを安価な素材から大理石にする、壁を塗り替えるなどの大幅なリノベーションを実行したとしても、それによって実際に上がった価格には、その理由が反映されないため、注意が必要です。


というのも、私が実際に現地へ行って物件を探し始めた際に、同じエリアで同じ間取りなのにも関わらず、1万ドルほどの価格差が生じている物件が散見されたからです。その価格差の理由を調べてみると、屋根を張り替えた、住所が1ブロック違うだけで価値の下がる地区になっている(メンフィスではよくあります)、など様々な事情により価格づけが行われていました。

 

ネットの情報だけで物件価格を判断してしまうと、とんでもないことになります。やはり本当の価格を知るためには、実際に何回も訪ねて土地勘をつかみ、同じマーケットを何年も見続ける必要があります。

築年数が物件価格にほとんど影響しないアメリカ不動産

また、日本人のお客様によく驚かれるのですが、築年数は物件価格に対してほとんど影響がありません。その点が日本と大きく違うところであり、だからこそアメリカ不動産投資はおいしいともいえます。


アメリカでは新築か中古かによって物件価格が決められるのでなく、その物件のあるエリアの安全性や、間取りにより評価されます。そもそも築年数を気にする文化がなく、築年数と関係ないところで物件価格が決まる米国不動産市場は、中古物件の流動性と成熟性を高め、出口戦略までも立てやすくなっているのです。

 
アメリカ不動産投資では、市場の特徴や法律が日本とかなり異なります。メリットも多いですが、早合点すると、とんでもないところで足をすくわれるケースもありますので、十分な注意が必要です。

本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は著者の個人的な見解を示したものであり、著者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、著者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

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