前回は、適切な経営判断を下すために、経営者が見るべき会社の数字を取り上げました。今回は、会社の資金繰りに困らない「利益管理」のポイントを見ていきます。

借入金や税額を考慮して「営業利益」をチェック

営業利益の数字をチェックする際には、借入金や税金の額を考慮しておくことも求められるでしょう。

 

営業利益があってもそれらの返済や支払いが発生する結果、手元に残る現預金がゼロやマイナスになることもあり得るからです。

 

例えば、営業利益を100万円計上できたとしても、銀行等からの借入金に対して100万円を返済しなければならないとすれば、会社にはまったくお金が残らないことになります。にもかかわらず、「今月は○○○万円の営業利益があるから、新しい車を買おう」などと無計画に出費をしてしまったら、たちまち資金繰りに窮することになりかねません。

売上の目標値は、最低限必要な営業利益から「逆算」

こうした状況を事前に回避するための方策として、借入金に対する月々の返済額や納める税金の額を含めた形で「どれだけの営業利益を確保するべきか」という目標利益を設定することをお勧めします。

 

この目標利益を適正に設定することにより、さらに売上の目標値も「最低限の営業利益を確保するためにはどれだけの売上を上げなければならないのか」というように逆算した形で正しく導き出すことが可能となるはずです。

忙しい社長を救う 経理改革の教科書

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李 日生,普川 真如

幻冬舎メディアコンサルティング

公認会計士として大手監査法人に勤め、国内外の多数の大企業の監査業務を担当してきた著者たち。経理・会計の専門家としての立場から中小企業の経営をサポートし続けてきました。こうした経験の中で、中小企業は経理部を社内に…

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