経営の安全性を示す指標の「流動比率」
持続的な成長のためには、会社の資金力を安定させることも必要となります。そこで、売上と営業利益に加えて、①流動比率と②固定比率の数字に対しても注意を払うようにしましょう。
①流動比率は、現金預金、受取手形、売掛金などの流動資産を、支払手形、買掛金、短期借入金などの流動負債で除した比率であり、計算式では次のように表されます。
流動比率=流動資産÷流動負債×100%
流動比率が高ければ高いほど返済能力があり、経営の安全性が保たれていることになります。例えば、利益を上げているにもかかわらず、会社の口座に預貯金の残高がないような場合には、流動比率に問題があると推測できるでしょう。
「固定比率が100%以下」は安定した経営の証拠
一方、②固定比率は、流動資産以外の資産の額(固定資産額)を純資産額で除したもので、以下のような計算式によって導き出されます。
固定比率=固定資産÷自己資本×100%
固定比率が100%以下であれば、固定資産のすべてを自己資本でまかなえている状態にあるといえ、安定した経営が行われていると評価することができます。
ちなみに、中小企業庁によってとりまとめられている「平成28年中小企業実態基本調査」では、全産業合計の流動比率と固定比率が次のような形で示されています。
(流動比率)
平成25年度152.94%
平成26年度163.53%
平成27年度163.88%
(固定比率)
平成25年度133.62%
平成26年度121.71%
平成27年度118.75%
流動比率や固定比率のバランスが崩れた状態のままでいると、将来的に資金繰りが苦しくなる恐れがあります。これらの指標が悪化する兆候が表れたら早急な対策を講じることが望ましいといえるでしょう。